辻村深月最新刊「青空と逃げる」。辻村さん、本屋大賞受賞、おめでとうございます!

評価:★★★★★

生きて、逃げてるってことならよかったよ。
(本文引用)
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 2018年の本屋大賞に、辻村深月さんの「かがみの孤城」が選ばれました!(レビューはこちら

 私にとって辻村深月さんは、「新刊が出たら必ず買う作家」の一人。
 
 辻村さんの本って、出版されるごとに良くなっていくんですよ。

 「前回は良かったけど、今回はいまいち」というのがない。
 「前回も良かったけど、今回はさらに良かった」という本ばかりです。
 だからお金を出すのは惜しくないです。


 
 辻村深月さんの最新刊「青空と逃げる」も、安定の「前回より良かった」小説。

 個人的に好きなのは「東京會舘とわたし」なのですが、話の深みや構成の巧みさという点では、「東京會舘~」よりも「かがみの孤城」よりも、「青空と逃げる」のほうが上回っています。 
 「青空と逃げる」を読み終えた今、すでに次作が楽しみです。

 でもここではとりあえず、「青空と逃げる」の感想を書きますね。
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■「青空と逃げる」あらすじ



 本条早苗は、元舞台女優の主婦。
 小5の息子・力がいます。
 
 二人は夏休みの間、東京から四国~九州を廻っています。

 それは旅行ではなく「逃亡」。

 早苗の夫・拳が、大物女優と一緒に交通故事に遭遇。
 相手女優にも家族がいたことから「W不倫」と書き立てられ、早苗一家はマスコミや芸能事務所に追いかけられます。

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 拳が入院先から失踪したことで、早苗と力が誹謗中傷の矢面の立たされることに。

 耐えられなくなった早苗は、力を連れて逃げることに・・・。

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■「青空と逃げる」感想



 「かがみの孤城」しかり、「青空と逃げる」しかり、辻村深月さんは「逃げることは恥ずかしいことではない」と伝えてくれます。

 地の果てまで逃げても、生きていればいい。
 逃げた先でつかめるものだって、たくさんある。

 辻村さんの本を読むと、「逃げることは全くマイナスではない」と心から思えます。

 本書では、早苗も力も逃亡先で様々な出逢いを経験します。

 別府で砂湯を楽しむお客さんに歌をうたったり、「逃げている」ことを知った人のさりげない配慮に感謝したり・・・。

 力も同様。
 自分と同じ厳しい立場に置かれた中学生や、事件の関係者である少年と交わることで、自分の意思を確立させていきます。

 早苗と力、二人の逃亡は「大きなマイナス」からスタートしました。
 でもいつしか二人は、逃亡するうちに「人生にとって大きなプラス」を得ているのです。

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 本書を読み、私は「逃亡」に対し、実に偏狭なイメージを持っていたことに気づきました。

 「逃亡」や「身を隠す」と聞くと、つい「真っ暗闇で何もない洞穴にいる」という絵が浮かびます。
 だから「逃亡」は、「悪いことではないかもしれないけど、何の解決にもプラスにもならない」と思っていました。

 でも本書を読み、完全に考えを改めました。
 逃げることは、逃げないよりも大きなプラスを得られることがあるんです。
 
 今現在、「ここから逃げてしまいたい」と悩んでいる人は、ぜひ「青空と逃げる」を読んでみてください。

 とにかく生きて、逃げる。
 そして自分一人だけで解決しようとせず、誰かに頼ってみる。

 「逃げる」勇気と「頼る」勇気、この二つをしっかり持っていれば、マイナスが大きなプラスに転じるかもしれません。

 ちなみに「青空と逃げる」は、さりげなくサスペンス要素も配合。
 「ずーっと気になっていた、あのこと」が、終盤でカレンダーがめくれるように明らかになっていきます。
 
 さすが、ミステリーも書いてきた辻村さんだけあります。
 
 辻村深月の最新刊「青空と逃げる」。
 現状から逃げたい、何とかしたいともがいている人は、一読の価値が十分ありますよ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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