池井戸潤「花咲舞が黙ってない」。杏さんと堺雅人さんでドラマ化してほしい!

評価:★★★★★

 世間では当たり前のことが、否定されねじ曲げられる。
 そんな組織に明日はあるのだろうか。

(本文引用)
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 先日、大杉漣さんが急逝し、杏さんが哀悼の意を語っておられました。

 「ああ、そういえば花咲舞のお父さんは大杉さんだったなぁ・・・」

 大杉漣さんの作る料理に上川隆也さんが舌鼓を打ち、杏さんが正義を語る。

 杏さん演じる花咲舞の「狂咲」ぶりに、 「正義感が強いところは、母親に似たんですかねぇ・・・」と目を細めるお父さん。

 そのシーンを見ることは、もうないんだなと寂しさを覚えました。
 
 そこで読んだのが、「花咲舞が黙ってない」。



 花咲舞といえば、誰にも止められない鼻っ柱の強さが魅力でしたが、今作はちょっと大人っぽい・・・と言いますか、以前より「大人の事情」を呑み込む女性になっています。
 
 それだけに、前作より「スカッと」度は下がりますが、また別の魅力が浮上。
 
 「人としての間違いを正せるのは、花咲舞だけではない。
 誰もがもどかしく思っていて、誰もが正しくありたいと思ってるんだ」

 そんな「一歩引くことで、真の正義が浮かび上がってくる」という、実に深みのある物語になっています。

 そうそう、あのオバケドラマの主役も登場。
 視聴率40%超をとった、あの名バンカーがコンドルのジョーのように舞い降りてきますよ。
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■「花咲舞が黙ってない」あらすじ



 東京第一銀行の臨店指導グループ・花咲舞は、上司の相馬健と一緒に、各支店のトラブルなどを見て廻ります。

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 外食チェーンの競争から情報漏洩を疑われる支店。
 小切手のミスから、無理矢理前倒しで振り込みをさせられる支店。
 町おこしのため、束になって多額の融資を申込む温泉街・・・。

 舞と相馬は、支店トラブルを必死に解決していきますが、そのうち当行の不審な動きに気づきます。

 頭取が、件の温泉街を訪問。
 
 しかしその地の支店長すら、頭取が来ることを知らされていませんでした。

 人目をはばかるようにして、頭取一行が温泉街を訪れた理由は?

 そして、「鋭い金貸しの目」をした「あの男」の正体は・・・?
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■「花咲舞が黙ってない」感想



 前述したように、本書の花咲舞はちょっと大人な感じ。
 もちろん、冴えた推理力、煮えたぎるような正義感、そして光の速さの行動力は変わりません。
 
 でも、忖度するようになったというか、「ここは一歩引いておこう」「ここからはあの人の役目だ」というような控えめな部分が出てきています。
 
 前作までのように、花咲舞が99%推理・説得・解決をして、残り1%を相馬さんがフォローして締める・・・という感じではありません。
 花咲舞の推理力と正義感が40%、相馬さんのフォローが30%、残り30%を「意外な助っ人」が解決・・・という塩梅になっています。

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 そう聞くと、花咲舞の活躍が見られず寂しいと思うかもしれませんが、いえいえ、これがなかなか乙なもの。

 銀行の正義・・・まぁ「保身」ですが・・・はおかしい!と思っている人は、決して花咲舞だけではありません。
 
 こんな人もあんな人も、実は「銀行の正義はおかしい!」と思っていることが判明。

 花咲舞がかすむほど、「人間としての矜持」を持ったバンカーが活躍し、悪者を顔面蒼白にしてくれます。

 そんな「正義のバトン」が、本書の見もの。

 半沢直樹をはじめとした「キレ者」が、どんな形で「銀行の悪しき体質」を斬っていくのか、しみじみと堪能できます。
 
 この「花咲舞が黙ってない」、3話~7話を、ぜひドラマスペシャルで放送してほしいな。

 主役はもちろん杏さん・上川さん・塚地さん、そして堺雅人さんで!
 昇仙峡玲子は、木村佳乃さんなんかがいいな。

 スカッとしつつも、心の奥にしみいる素敵なドラマになりそうです。

 お父様役の大杉漣さんがいらっしゃらないのは、やはり寂しいですが・・・。

 ぜひ映像化してほしい一冊です。

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アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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