松本博文「藤井聡太 天才はいかに生まれたか」。子どもを藤井聡太君のようにするには?

評価:★★★★★

「私も、ずっと優しく見守っていたわけじゃないんです。けっこう私も、ぶつぶつ言うんですよ。『泣いてもしょうがないじゃん』みたいに。記事ではよく『お母さんはずっと優しそうに待っていた』みたいな感じになっていますけど(笑)」
(本文引用)
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 藤井聡太の快進撃が止まらない!
 平昌オリンピックの間も、日本は相変わらず「藤井フィーバーに」わいていました。

 昨年、プロデビューから29連勝という快挙を成し遂げたと思ったら、今年は羽生善治竜王を倒す大金星。
 
 その後あっという間に六段に昇進し、もはや「天才」という言葉だけでは追いつけないほどの超人ぶりです。

 本書は、藤井聡太氏の将棋人生を追ったもの。
 幼少期から、あの「29連勝」までを、幼稚園時代や家庭での様子、母親の方針、師匠たちの声なども交えて綴られています。



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 さて、「天才はいかに生まれたか」なんてタイトルを見ると、子育て中の方はがぜん内容が気になるのではないでしょうか。

 特にお母様・裕子さんの言葉がチョコチョコと載せられているので、「どうやったら藤井君みたいな息子になるの?」などと必死に読んでしまいそうです。

 そんな方は、もしかするとちょっと拍子抜けするかも。
 逆に、「ああ、こうすればいいんだ」と安心する人もいると思います。

 なぜなら母・裕子さんは、子どもが本当に好きなことに没頭できるよう願う、普通の母親だからです。

 たとえば藤井君は国立大学付属中に通っているので、「やはり教育熱心な家庭なんだな」と思いがちです(実際、そうなのだとは思いますが)。
 
 でも国立大学付属中に通わせているのも、まず「将棋ありき」の人生だから。

中高一貫校なので、もし入ってしまえば、過酷な三段リーグを戦う頃に、高校受験の心配をしなくてもいいのではないか。そう先を読んでのことだった。

 
 何はなくとも将棋の人生。
 そのなかで、一人の社会人として生きていくためには、どのように進路を定めていけばよいか。

 藤井少年とお母様とが、先の先まで見据えて、「将棋」と「一般社会」のバランスをとりながら道筋を考えていく様子は読み応えあり!
 
 長い子育て、子どもの好きなこと、子どもが人生を賭けていることに対し、親はどんなサポートをできるのか。
 そんな「子の幸せを願う、一人の母親の姿」が、裕子さんからは感じられます。

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 さらに本書を読んでいると、こんなことを感じ胸を打たれます。

 「子どもは大人が思っている以上に成長している」

 藤井聡太君といえば、落ち着いた受け答えや大人顔負けの気配りが有名です。

 それに驚くお母様の様子が、本書には紹介されていますが、そんな「親と子のギャップ」が非常に微笑ましい!
 

ある時、テレビの取材で、インタビュアーが羽生を「雲の上の存在」と表現した。それに対して藤井は、「雲の上だと思っていたら勝てませんから。勝負の上では平等です」と、きっぱり反論している。テレビでその様子を見た裕子は、「こんなこと言ってるんだ」と仰天した。


 藤井六段の魅力は、間違いなく天才であるにも関わらず、それに奢ることなく冷静なところ。
 さらに優しい外見とはうらはらに、勝負に対しては燃え盛るような闘志を感じさせるところです。

 「情熱と冷静の間」と、「大人と子供の間」。
 その間をさまよう姿が、中学生プロ棋士・藤井聡太の持ち味。

 純正の天才でありながら、生身の人間としての魅力を感じさせるのは、裕子さんの「適切なフォロー」「適度な距離感」のたまものなのです。

 そう考えると、やはり本書は子育てに有効。
 
 子どもが好きなことに夢中になれる環境を、そっと整え、適度に「親の知らない子の姿」がある。

 現在、子どもとの距離感や、自分の理想と子どもの理想のギャップに悩む人は、読んで決して損はありません。

 あとがきでは、著者・松本博文氏が奥様と交わした言葉を紹介。

 確かに藤井聡太君親子を取材すると、こう思うだろうなぁ~と微笑ましい気持ちでページを閉じました。 

詳細情報・ご購入はこちら↓


ど~しても子どもを藤井聡太君のようにしたい方は、こちらの本を試してみては?
将棋で伸びる子は、親が「数独」をやっていることが多いそうです。


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アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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