野口悠紀雄「入門 ビットコインとブロックチェーン」感想。仮想通貨って何?という人におすすめ。

評価:★★★★★

「盗んだらビットコインが破綻する」と思ったら、誰もそんなものは盗みません。ビットコインの価値を認めているからこそ、盗んだのです。
(本文引用)
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 先日、仮想通貨取引所コインチェックで、仮想通貨「NEM」が不正流出。
 利用者は約26万人、被害総額は約580億円。
 「戦後最大規模の消費者事件」とも言われています。

 詐欺事件の場合は、被害額が2000億円にものぼるケースがあります(豊田商事事件等)。

 でも「お金を集めた主体者が詐欺ではない事件」では、被害総額数百億というのは極めて異例。

 ここまでくると、今後、集団訴訟に発展する可能性は濃厚。

 不正流出した仮想通貨はもちろん、「仮想通貨の値下がりに伴う損害」と、「取引が停止したこと自体を損害」とする賠償請求も追加される見通しです。


 
 確かに仮想通貨は財テクなので、「取引停止で、価値下落前の売り抜けができない」というのも「被害」のひとつですよね。

 銀行の預金なら、元本が返ってくればまだ納得できるかもしれません。
 でも仮想通貨の場合、預けた仮想通貨がそのまま返ってくればよい・・・というわけにはいかないようです。

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 それにしても仮想通貨って、いつの間にかこんなに浸透していたんですね。

 16日から確定申告の受付が始まりましたが、「仮想通貨取引への課税に注意」とのこと。
 仮想通貨取引で儲けがあった場合、学生さんや専業主婦でも「申告漏れ」を指摘される場合もあるとか。
 税務署がそう呼びかけるほど、日本にもジワジワと仮想通貨がしみわたっているようです。

 そこで読んでみたのが、「入門 ビットコインとブロックチェーン」。
 著者の野口悠紀雄さんといえば、「わかりやすく伝える力」の草分け的存在ともいえる方なので、「これならドドドドド素人の私でも読めるかな?」と思い購入しました。

 読んでみて思ったのが、やはり野口悠紀雄さんは「伝え方の天才」だということ。

 「ビットコインと電子マネーの違い」を小学校高学年でもわかる言葉で簡潔明瞭に説明。

 その他、「ビットコインのメリット」「ブロックチェーンとは何か」「IoTとは何か」など、仮想通貨にまつわるあれこれを、定義からじっくり平易な言葉で解説します。

 また本書の魅力は、専門用語をわかりやすく伝えることだけではありません。

 「他国に比べ、日本で仮想通貨が普及しない理由は何か」、逆に「仮想通貨が普及することで、どんな問題が起きるか」など仮想通貨の表と裏を多角的に解説。
 そして、コインチェック事件にも関わることですが、なぜ仮想通貨のデータをねらう人物がいるのかについても興味深い見解を示しています。

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 時々難しい箇所もありますが、基本的には小学校高学年~中学生にもわかるぐらい簡単に解説。
 ブロックチェーンの比喩なども絶妙で、改めて野口悠紀雄さんの「伝える力」に胸が震えました。

 読む「世界一受けたい授業」という感じですね、これは。

 「入門 ビットコインとブロックチェーン」を読むと、銀行のATMひとつとっても見方が変わってきますよ。
 
 「互いの信用」…ただそれだけでつながっている「お金」というものが、これからどんな形で使われていくのか。
 どんな姿で生活に浸透していくのか。
 
 コインチェック事件の根の深さを知るとともに、今後の「お金の未来」に思いを馳せることができる一冊です。
 
 一家に一冊、必携かも!

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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