ドラマ「白日の鴉」の原作は、最初から絶対目を離すな!

評価:★★★★★

「このままじゃ、どうせ悪人だ。とことんやってみる」
友永は胸のなかでつぶやいて、奥歯を噛み締めた。

(本文引用)
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 1月11日に放映された「ドラマスペシャル 白日の鴉」原作です。

 私にとってはいつまで経っても「チビノリダー」と言いたくなる伊藤淳史さん。
 素敵な役者さんになられましたよね~。

 原作の警官とイメージピッタリだなぁと、キャスティングに感心しております。
 (寺尾聰さんも!)

 さて、では実際に「白日の鴉」はどんな小説かと言うと・・・。

 すっごくキツいです。
 辛くて辛くて、読むのを何度やめようと思ったことか。



  冤罪が生まれる過程が、目をむくほどリアルに描かれており、胃が痛くなってきます。

 でも読めば読むほど真相がどんどん「予想もしなかった方向」から出てくるので、ゼイゼイ言いながらも一気に読み切ってしまいました。
 
 なるほど、これだけ面白ればドラマ化されるはず。
 読者をつかむ握力と吸引力が、半端ではない傑作です。

 あー、面白かった!
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■「白日の鴉」あらすじ



 友永は、中堅製薬会社のMR。
 薬の営業のため、毎日病院を巡っています。

 ある日友永は、接待のため電車に乗り込みます。
 
 相手は得意先の病院長。
 絶対にはずせない相手です。

 しかしそこでとんでもないハプニングが。

 「あッ、駅員さん」
 女がわざとらしく叫んで、
 「このひと痴漢なんです」
 「早く警察を呼んでくださいッ」
 と男が叫んだとき、肩をつかんでいた力がゆるんだ。
 次の瞬間、友永は男を突き飛ばすと、転がるように駆けだした。


 そう、友永は痴漢の疑いをかけられてしまうのです。

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■「白日の鴉」感想



 この小説は、まず「友永の痴漢騒ぎは冤罪である」ところから始まります。

 つまり「冤罪かどうか」ではなく、「冤罪をどう晴らすか」がテーマの物語です。

 本書によると、痴漢の疑いを晴らすのはほぼ100%無理とのこと。
 絶望的な状況のなか、「それでも僕はやってない」と訴え続けることがいかに辛く厳しいことかが、本書では緻密に描かれています。

 「やった」と言えば勾留は解かれるものの、社会的信用は失墜。
 「やらなかった」と主張しつづければ、0.02%の可能性で無罪となるかもしれませんが、勾留期間はどんどん延びます。

 さて、あなたならいったいどうするかを問うのが、本書のねらいという気がします。

 はっきり言って、読んでいる私まで発狂しそうになりました。
 非常にキツい内容ですが、冤罪に少しでも関心がある方は読んで損はありません。

 さて肝心の謎解きですが、これがね~、意外なことが伏線になっていたんですよね。
 「あーーーー、そういえばそんなことあったね!」と頭の奥底に眠っていた「ある出来事」が、冤罪を晴らす大きなカギとなります。
 ちょっとネタバレになるかもしれませんが、本書を手にとったら、最初から気を抜かずに読んでくださいね。

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 犯行の動機としてはやや弱いかな?という気もしましたが、「冤罪が生まれる構造」「事件解決の謎解き」については大満足。

 骨太ミステリーを読みたい方に、心からおすすめの一冊です。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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