ワンオペ育児あるある満載!「育児は仕事の役に立つ ~ワンオペ育児からチーム育児へ~」浜屋祐子 中原淳

評価:★★★★★

とにかく育児には、「答え」がなかなかなくて、お悩みポイント満載なんですよ。だから、「答え」を求めて夫婦で共に探究しなくてはいけません。
(本文引用)
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 2017年の流行語大賞に「ワンオペ育児」がノミネートされましたね。
 
 では来年は、この言葉が流行語になるのでしょうか。なるといいな。なったらいいな。

 その言葉とは「チーム育児」。

 それぞれ二児を育てる二人の研究者が、「育児がいかに仕事に良い影響を与えるか」を探究し、創りあげた言葉です。

 今、「ワンオペ育児」による悲鳴が日本全国から聞こえてきます。



 ついつい夫婦の片方(主に妻)が仕事・家事・育児全てを担い、爆破寸前になっているご家庭も多いのではないでしょうか。

 そしてなかにはそんな妻を見て、「でもいったいどうしたら良いのかわからないんだよ~!」と立ち尽くす旦那様も多いように思います。

 ここで一息、夫婦で本書を読んでみませんか?
 「チーム育児」という言葉と、そこに込められた思いを読むだけで、バッシャン!と「夫婦で子育てをする」ことに一気にシフトできますよ。

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 1人より2人で育児をしたほうが、長い目で見たら、いかに家庭全般にとってメリットが大きいか。

 そして「チーム育児」の発想が、いかに仕事にも家庭にも良い影響をもたらすか。

 本書を読めば、「最小限のストレスで、仕事も家事も育児もすべてうまく回している自分たち」を鮮明にイメージでき、生活そのものが楽しくなってきますよ。
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 本書の筆頭著者・浜屋祐子さんは東京大学大学院生。
 二人のお子さんを育てながら、「育児がいかに仕事に良い影響をもたらすか」を研究すべく入学されました。

 そして指導者である中原淳さんもまた、二人のお子さんを育てるお父様。
 共働きで、毎日綱渡りのような状態で、奥様と共に仕事と家庭を両立させています。

 そう書くと、中原先生はすでに「チーム育児」を実現されている超絶イクメンのように見えますよね。
 「東大准教授のようなエリートだから、共働き育児もうまく回せるんだろうな」なんて考えそうになります。

 でもその実態は、「パパさんあるある」の穴ぼこだらけ。
 女性からすれば、「これだからワンオペ育児になっちゃうのよ!」と言いたくなる突っ込みどころが満載!

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 学術的な本でありながら、そんな本音が見えるのが、本書の大きな魅力です。

 たとえば印象的なのが、このエピソード。

中原 共働きの我が家も、夫婦でスケジュールを調整しますが、そのことで言い争いになることはありますね。スケジュール調整の時、以前、僕は「水曜と金曜は、俺、いないわ」といった言い方をしていて、妻は「ごめん、火曜日と金曜日はどうしてもお迎え行けないんだけど」という言い方をしていたことがありました。そこで、妻から「あなたは行けない、とダイレクトに言うだけで、そこに気後れしてないでしょ」と指摘されて、ハッとしました。


 これ、結構「あるある!」とうなずきたくなるエピソードではないでしょうか。

 何で男性は「明日は会議で迎えに行けない」とスパッと言うことができて、女性は「ごめん、明日はどうしてもお迎えに行けないんだけど」と申し訳なさそうに言わなければならないのか。
 
 なぜ男性は「今日、飲み会だから」と言うことができて、女性は言えないのか。

 これって小さなことのように見えますが、心にくすぶるものはかなり大きいですよね。

 妻は仕事も主役なのに、育児も家事も主役でなければならず、常に「申し訳ない」という気持ちでいっぱい。
 一方、夫は仕事は主役かもしれませんが、家事・育児は極端に言うと「俺がいなくてもいいよね」というアシスタント的な気持ちがあるような気がします。

 そんな気持ちが見え隠れすると、妻はドッと落ち込むことに。
 「いいよね、男は」
 と毒づきたくもなります。

 本書は共働き育児真っ最中の、男性と女性の対談なので、そんな問題点がまざまざと露呈します。
 なので、「よし、チーム育児をしよう!」なんて肩ひじをはらず、軽い気持ちで読んでもOK。

 「私の気持ち、わかってくれる!」
 「そうか、妻はこう思ってるんだ・・・」

 と気持ちを共有・理解する感覚でサラッと読むだけでも、得るところが大きいです。
 ストレス解消になりますよ!

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 さて、肝心の「育児は仕事の役に立つ」部分ですが、これも納得のいくことばかり。
 子育てを通して得られる人材開発・人材教育力、マネジメント力、リーダーシップ力には、「そう考えると、確かにそうだな~」とうなずくことしきりです。

 さらに子育てで育つビジネス力は、社内だけでなく社外にも発展。

中原 PTAや地域の活動などはお母さんが担当するケースが多いと思いますが、もっとお父さんも参加してみるといいと思いますよ。自分の会社や仕事、いつも属しているコミュニティを相対化して見ることができ、自分の属している世界が、外からどう見えているのか一発でわかります。

 
 そして中原先生は何と、定年後の心配まで。

中原 僕は、大学や研究室から一歩出ると、何の特殊技能も持っていないんだ、と自分の無力さをひしひしと感じることができました。
浜屋 研究ならできるのですが・・・・・・と。
中原 実際は何もできない。研究や教育がなくなってしまったら、僕は無力です。でもね、この無力感は早く感じておいたほうがいいと思います。なぜなら、定年後の世界はそうなるから。


 深い、深いです、これは。
 よく、家事と育児を妻に押しつけていた男性が、定年後に参加した町内会活動で「●●会社で部長をしておりまして・・・」などと自己紹介し、地域でも家でも居場所がなくなる、なんて話がありますよね。

 実は育児は仕事の現役時代はもちろん、リタイア後も効果を発揮。

 地位も名誉も全く関係ない、本能が勝負の子育て。
 学歴や仕事という壁をすんなりと壊してくれる子育て。

 つまり子育ては、「自分は何者でもない」ということを早い段階で認識させてくれるんです。
 
 それはある意味、残酷かもしれませんが、人として強靭になる最良のチャンスです。

 終盤では「夫の育児参加」を実現させる手法を、詳しく紹介。
 妻からすれば、ちょっぴり「そんな気を遣わなきゃいけないの!?」とモヤモヤするかもしれませんが、やってみる価値はあり!

 浜屋さん、中原さんの実体験を踏まえた解説は臨場感があり、「さっそく試してみよう」という気になりますよ。

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 「わが家」というチーム活動は長丁場。
 1人のスター選手がフル回転するだけでは、何十年も持たせるのは至難の業です。

 ぜひ本書を参考にして、全員野球で幸せな「チーム・わが家」を創りあげてください。

 私も頑張りまーす(^^)

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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