12月からドラマスタート!藤野恵美「ハルさん」は人を疑ってはいけないミステリー!

評価:★★★★★

(気負いすぎないで。親が全ての危険を取り除いてあげることは不可能だもの。あとは、ふうちゃんへの信頼でもって、その恐怖に打ち勝つしかない)
(本文引用)
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 2017年12月から、テレビ朝日系列でドラマスタート!
 主人公のハルさんを生瀬勝久さん、娘のふうちゃんを飯豊まりえさん、奥様の瑠璃子さんを緒川たまきさんが演じます。

 この「ハルさん」はミステリーですが、一風変わったミステリー。
 どこが変わっているかというと、この「ハルさん」、疑ってはいけないミステリーなんです。

 人を疑うのが前提のミステリー小説で、人を疑ってはいけないことを伝えてくれるなんて・・・ある意味、ちょっと素敵だと思いませんか?
 
 サラッと読めるけれど、心に深く残るハートウォーミングなミステリー。

 それが「ハルさん」です。



 
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■「ハルさん」あらすじ


 主人公の「ハルさん」こと春日部晴彦は、人形作家。
 ふうちゃんという一人娘がいます。

 奥様の瑠璃子さんは、ふうちゃんが幼稚園の時に亡くなっています。

 ハルさんは、母を亡くしたふうちゃんの気持ちを思い、毎日ふうちゃんのことが心配でなりません。

 いじめられていないか、誰かにさらわれやしないか・・・そして、結婚相手はふうちゃんを幸せにしてくれそうな男性なのか・・・。

 ふうちゃんが大きくなるにつれ、心配の内容も変遷。
 何か事件が起こるたびに、天国の瑠璃子さんが名推理で解決してくれます。

 第一話「消えた卵焼き事件」は、ふうちゃんが幼稚園の頃のお話。

 ある日、ふうちゃんは幼稚園で泥棒呼ばわりされます。
 仲良しの隆くんのお弁当から、卵焼きがごっそり無くなっていたのです。

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 隆くんがお弁当の卵焼きを自慢した時、ふうちゃんが「いいな~!」と羨ましがったというのが、疑われた原因。

 それを聞き、ハルさんはまたも悲嘆にくれます。 

(卵焼きの一つも、満足に作ることができないから、そのせいで、ふうちゃんは・・・・・・)

 ハルさんは、妻の瑠璃子のように卵焼きを上手に作れないことに自責の念を感じ、ふうちゃんをほんの少し疑いはじめます。

 そこに天国から、瑠璃子さんの声が聞こえてきて・・・?
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■「ハルさん」感想


 「ハルさん」は5編から成る短編集。

 幼稚園時代のふうちゃんから始まり、小4、中学生、高校生、大学生、そして結婚・・・。
 
 ふうちゃんの成長と共に、起こるトラブルも心配事も大きくなり、ハルさんの心労も増えていきます。

 どれもこれも謎でいっぱいの物語なのですが、読むうちにどんどん心がほぐれてきます。

 なぜ「ハルさん」は心を解きほぐしてくれるのか。

 それは、「人を信じる」ことを教えてくれるミステリーだからです。

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 特にホロリとくるのが、第三話「涙の理由」。

 中学生のふうちゃんには仲の良い友達がいますが、ある日、どうも仲違いをした様子。

 ふうちゃんの元気がなく、遊びに来るはずの友達も来ません。

 さらに、入選したふうちゃんの絵がはがされ、体操着にはイタズラ書きが・・・。

 ハルさんは、ふうちゃんがいじめにあっているのではないかと不安でいっぱいになるのですが・・・?

 第一話「消えた卵焼き事件」しかり、「涙の理由」しかり、とにかく「誰かを何かを疑うと、激しく後悔することになる」ということを教えてくれます。

 わが子だけでなく、わが子を囲んでくれる人をも信じること。
 わが子可愛さに、周囲を無暗に疑うと、とんでもない間違いをおかす恐れがあること。

 瑠璃子さんの推理は、常に「人を疑え」ではなく「人を疑ってはダメよ」という謎解きなんです。

 だから読めば読むほど、魂が洗われるような・・・そんな清々しい気持ちになれます。

 ドロッドロのミステリーにどっぷり浸かるのも良いですが、こんな清水のようなミステリーで身体を清めるのも乙なもの。

 推理を楽しみつつも、さわやかな気持ちになりたい方は、ぜひ読んでみてください。

 それにしても、心配性でちょっとトボけた「ハルさん」。
 生瀬勝久さんが演じるなんて、ピッタリ!

 ドラマが楽しみです。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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