「恋する男たち」篠田節子・小池真理子・唯川恵らが「男の恋」を語ります!その実態は・・・?

評価:★★★★★

もし恋というものが、相手の持っている時間と自分の時間を重ね合わせたいと願うものなら、あのとき僕はもう恋をしていたのだ
(本文引用)
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 「恋する男たち」と聞いて、どんな情景を思い浮かべますか?
 好きな女性に声をかけることができない、不審なほど見つめてしまう、ちょっと引くほど積極的に話しかける・・そんなちょっと可愛らしい様子を思い浮かべてしまうのではないでしょうか。

 本書のタイトルを見て、「トーストをかじって駅に向かっている最中にぶつかった美人と恋に落ちる」とか「たまに駅で見かける女性をただ見つめている」といった内容を思い浮かべているのなら、即座にその像を頭からバッサリ消してください。

 恋と言っても形はいろいろ。
 本書を読めば、想像を絶する恋の形があるということに度肝を抜かれますよ。



 なので、純粋な胸キュンラブストーリーをお好みの方は読まないほうがいいです。

 逆に、「こんな恋ってあり!? でも面白いかも!」とややアブノーマルな「恋」にときめくことができる方には超オススメです。
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 本書は6編からなる短編集。
 篠田節子・小池真理子・唯川恵・松尾由美・湯本香樹実・森まゆみら女流作家が、「男の恋」をテーマに物語をつづります。

 毎週水曜日、妻に「ある行動」を隠していたために騒動を大きくしてしまったサラリーマン
 大学受験のために下宿した部屋で、禁断の恋におちる青年
 娘の友人の人生を本気で案じる、家で立場のないパパ・・・。

 「男性の恋」というだけで、ここまで彩り豊かな話を読めるとは!とただただ感動しちゃいます。

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 なかでも面白く読めたのは、「マンホールより愛をこめて」。
 主人公の女性作家・宏香は、ある日、編集者からおかしな依頼を受けます。

 登場人物の一人を、出さないでほしいと言うのです。

 その登場人物は「千草」いう女性なのですが、編集者の部屋に「千草」そのものの女性がいるとか。

 どうやら宏香が「千草」について書くたびに、「千草」は姿を消してしまうというのです。

 小説から出てきた女性と、作家、編集者との奇妙な駆け引きが始まりますが、さて、その「恋」の行方やいかに!?

 二次元と三次元の間をさまようような男性の恋に、「そんなバカな」と毒づきながらも目が離せませんでした。

 「恋する男たち」にも、色々いるものです。

 第一話の篠田節子「密会」も良い。
 「恋する男」で「密会」なんて、あやしい匂いがプンプンしますが、たぶんその匂いの元、はずれています。

 男性が恋い慕う女性って、意外と範囲が広いんです。

 ちなみに、オーソドックスな恋愛小説をお好みなら、小池真理子の「彼方へ」がオススメ。
 さすが小池真理子!と言いたくなるドロリとした展開と、「あ~やっぱりこう来ちゃったか!」と思わせるズドーンとしたストレートさが心地よく、物語にどっぷり浸かることができますよ。

 「恋する男たち」は、どの物語も短編とは思えない濃密ぶり。
 チャチャッと読み終えることができるのに、「主人公の内なる禁断の苦しみ」に骨抜きにされます。

 満足度は長編小説に負けないので、非常にお得な一冊です。

 人生が1人ひとり異なるように、恋も1人ひとり様々。

 ちょっとアブノーマルな「恋する男たち」の奔走ぶりを、ぜひご堪能ください。
  
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アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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