育児を楽にする本の究極形!「子育ての大誤解 ~重要なのは親じゃない~」感想

評価:★★★★★

 親たちはいまだに不安を抱えながら、それぞれの社会が提唱する骨が折れるような子育てを実践している。私のこの善意あふれる助言に耳を傾けることなく、子育てを陽気に楽しもうとしない。残念ながら私の娘たちでさえも例外ではなかった。
 そもそも私が自分の娘たちに影響を与えるなんて思ってもないけれど。

(「まえがき」より)
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 「子育ての大誤解」とありますが、実は多くの人が、この「誤解」に気づいています。

 たとえば、よくこんな言葉を耳にしませんか?

 「兄弟でも違うものだね~。同じ親が育てたのに」
 「上の子はすっごく素直で楽だったから2人目のそうだろうと思ったら、すっごく大変で~」

 親の多くは「私の育て方が間違っているのでは」と日々悩みます。
 その割には、「同じ親でも違うね」などと言っています。

 これって矛盾してますよね。

 そう、本書が言いたいことはつまりそういうこと。

 子どもは親の望むようには育ちません。
 そして、親の望むように育たないのは、親のせいではありません。

 だから気持ちのままに、もっと能天気に子どもを育てようではありませんか!

 本書はそういう本です。

 ある意味、身も蓋もない主張なのですが、「子どもの性格・素行は親のせいではない」と聞くと、気持ちがとても楽になりませんか?




 だからといって傍若無人なふるまいを許してよいわけではありませんし、躾は大切です。

 でも子どもの問題を、全て親のせいにすると子育てはどんどん無間地獄にはまりこむことに。
 責任を感じてしまったがために、虐待などに走るようになっては元も子もありません。

 今、お子さんの問題点を「私のせい」と考えている保護者の方がいたら、ぜひ本書を手に取ってみてください。
 パラパラとでも良いので目を通せば、スーッと気持ちが楽になるはず。

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 そして読む前よりもずっとストレートかつ単純に「何だかんだ言っても、うちの子かわいいな」と思えることでしょう。
 いや、とりあえずそう思っていればいいや!ぐらいの気持ちになり、育児が楽しくなりますよ。
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 著者ジュディス・リッチ・ハウスは、子どもの社会化に焦点を当て、「親が子どもの成長に与える影響」について分析。

 その結果、「子どもの性格もしくは家庭以外の振る舞いに対して、親は一生続くような影響を与えることはない」と主張。
 さらに言うと、子どもの行動は遺伝子の影響を大きく受ける、と語ります。 

 その分析の元となるのは、双子の研究。
 双子は別々の家庭で育てられても、類似性があるもの。
 それは遺伝子の力によるもので、親の影響は非常に小さいとしています。

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 遺伝子の影響は大きく、人間関係にも関わってくることに。
 遺伝子レベルで似たような人間同士で集まると、ひとつの仲間ができあがります。
 子どもは、その仲間の行動を真似することにより性格を形成していきます。

 つまり親の行動は、子どもの性格形成にはほとんど影響を与えないもの。
 遺伝子や、類似の遺伝子同士が惹かれ合う仲間によって大きく左右されるとします。

 しまいには、容姿が子育てに与える影響も主張。
 容姿が良い乳幼児は、大人の行動を変えることを実験から明らかにしていきます。

 「子育ての大誤解」に書かれていることは、どれもこれも「それを言っちゃぁおしまいよ」と苦笑いしたくなるものばかりです。

 遺伝子で決まってると言われては、ある意味絶望的。
 「親の行動が子どもに多大な影響を及ぼす」と、いっそ言ってくれたほうが楽かもしれません。

 でもそう考えると、いつか子育ては苦しくなります。
 なぜなら、「自分の望むように子どもを育てる」ことに行きついてしまうから。

 著者は読者に、こう語ります。

 私たちの思いどおりに子どもを育て上げることができるという考えは幻想にすぎない。あきらめるべきだ。子どもとは親が夢を描くための真っ白なキャンバスではない。


 気を楽にもって。彼らがどう育つかは、あなたの育て方を反映したものではない。彼らを完璧な人間に育て上げることもできなければ、堕落させることもできない。それはあなたが決めることではない。子どもたちは「明日の館」に住んでいるのだから。


 よく考えたら、自分自身を子どもの立場に置き換えると、著者の主張はストンと腑に落ちるんですよね。

 今さら「私がこうなったのは、親の行動がこうだったから」とすねたり、「私がこんなに立派な人間になれたのは、親のおかげ」と考えたりするのは、ちょっと虚しい気がします。

 自分は親に操作されていたのではなく、自分自身の力で仲間を形成し、自分自身の力で人生を切り開いたのだ。

 そう思えたほうが、どんなに嬉しいか!

 巻末の解説は、「言ってはいけない」の橘玲さんが執筆。(「言ってはいけない」のレビューはこちら
 橘さんはこう語ります。

子どもは遺伝的なちがいを活かし、自ら選び取った友だち関係のなかで「キャラ」をつくり、自分の道を歩き出す。その過程に親が関与することはできないから、子育てには成功も失敗もない。



 「子育ての大誤解」は、親も子どもも最高にハッピーになる一冊なのです。
 
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アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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