自信が持てない女性のバイブル!宮下奈都「スコーレNo.4」

評価:★★★★★

 愛せるものが欲しくて焦った。間違ったこともあった。愛するふりをして傷つけた人もいた。だから私も、誰にも愛されることがない。きっとこのままいくんだろうと思っていた。
(本文引用)
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 本屋大賞受賞作「羊と鋼の森」で、一気に脚光を浴びた感のある宮下奈都さん。

 私も宮下さんの小説は好きですが、今のところ、この「スコーレNo.4」がいちばん好きかも。

 なぜなら「スコーレNo,4」は、臆病でいることを肯定してくれるから。

 多くの小説が前に進む勇気を促すなかで、この「スコーレNo.4」は「前に進もうとしない勇気」というものを教えてくれます。

 だからこの小説を読むと、心からホッとします。
 ああ、焦ることないなって。



 たとえば誰かを好きになった時、話しかける勇気がなくてもいい。
 誰かに好かれ、それがたとえ嬉しかったとしても、無理に応える必要はない。
 誰かともめた時、自分の意見を引っ込めてしまってもいい。
 自分の能力が認められそうでも、それを主張しなくてもいい。
 何かを疑われて、うまく弁解できなくてもいい。静かに正しい道を歩めばいい。

 傷つかないために臆病になってしまうのは、決して悪いことではない。

 そんなことを素直に教えてくれる小説って、ありそうでなかった気がします。
 生来の性格を押し込めてまで、前向きに生きるのって、時として辛いものですよね。

 だから「スコーレNo.4」を読むと、ものすごく心が落ち着きます。
 臆病な自分に発破をかけるのではなく、臆病な自分をそのまま長い目で見て包み込むように受け入れてくれる。
 「スコーレNo.4」は、これから何回も何十回も繰り返し読みたいバイブルです。
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「スコーレNo.4」あらすじ



 主人公の津川麻子は中学生。
 波風を立てたがらない性格で、常に周囲の人に対して距離を置いてしまうタイプです。

 妹の七葉は、麻子とは正反対。
 思ったことをポンポンと口に出し、争うことも厭いません。
 麻子は、そんな七葉を時に羨ましく思いますが、それは七葉の特権であると認め姉妹仲良く暮らします。

 七葉は顔がかわいいから、何を言っても許される。
 でも私は平凡だから許されない。

 麻子は、顔の可愛い七葉に対してコンプレックスを抱き、人を好きになることにも臆病になります。

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 ところが突然、臆病でいられなくなる日がやってきます。

 唯一の友だち・真由が好きになった少年を、麻子も雷に打たれたように好きになってしまうのです。

 その後、高校、大学、就職と麻子は、そのまま自分に自信を持てないまま成長していきますが、そんな麻子を認めてくれる男性が現れて・・・?
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「スコーレNo.4」感想



 「スコーレNo.4」は津川麻子の成長物語・・・と言いたいところですが、特に成長していなさそうなところが本書の魅力。

 常に人より二歩も三歩も引っ込んでいる麻子は、そのまま二歩も三歩も引っ込んだ女性のまま大人になっていきます。

 それでもこの物語は光に満ちています。
 なぜなら周囲が大人になり、麻子の良さを認め、応援してくれるからです。

 いつまでたっても「自分は冴えないなぁ」とため息をつきつつも、ひたすら地道に真面目に仕事をする麻子。
 本当は魅力的な面がたくさんあるのに、わざと目をつぶるかのように、自分の長所に気づこうとしない麻子。
 異性からの好意を全力で避けようとする麻子。

 そんな麻子の性格は変わらないのですが、麻子の全身からは誠実さがあふれています。

 だからいつの間にか、麻子には強い味方がついてくれます。
 そのプロセスが何とも気持ちよく、「自分をわざわざ変える必要はない。目立たずとも一生懸命生きていれば、誰かが見ていてくれるんだ」と希望が湧いてきます。

 特に最終章がいいですねー。
 最終章の茅野さんを瑛太さんか永山絢斗さん(あ、兄弟か)が演じてくれたら、悶絶するほど胸キュンなドラマになりそう!

 身近に自信満々で押しの強い人を見ると、つい羨ましいと思ってしまう人。
 気がつけば「私なんて・・・」と後ろ向きに考えてしまう人。

 それじゃいけないと思いつつも、なかなか考えるクセって治りませんよね。

 そんな「自信を持てずにいる女性」は、ぜひ「スコーレNo.4」を読んでみてください。
 自信のないあなた自身を、自信をもって受け止めることができますよ。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
仕事・家事・育児の合間に文字を楽しむ、兼業主婦の備忘録です。
本の評価は以下のとおり(2015年10月~)
★★★★★=読むと一生幸せでいられます。
★★★★☆=読むと1年間幸せでいられます。
★★★☆☆=読むと1週間幸せでいられます。
★★☆☆☆=これ以下の本は載せません。

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