「質問する、問い返す ~主体的に学ぶということ~」はアクティブ・ラーニングに最適な一冊!

評価:★★★★★

 「こんなにみんながいろんなことを考えているなんて思わなかった。答えがないって何だかおもしろいね」
(本文引用)
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 最近、話題になっているアクティブ・ラーニング。

 ただ先生の授業を聞くのではなく、自ら学び、自ら考える学習方法です。
 今後の大学入試などでは、アクティブ・ラーニングで培われた力が求められます。

 ここで「アクティブ・ラーニングって何? 大学に受かるためにはどんな勉強をすればいいの? 教えて!」と焦るのは、すでにアクティブ・ラーニングを放棄している証拠。

 本書を読めば、アクティブ・ラーニングで確実に自分の学力・人間力を身に着けるためには、とにかく時間をかけることが必要だとわかります。
 わざわざ時間を引き延ばす必要はありませんが、時間がかかることを念頭に置き、とにかく待つ。



 機が熟す瞬間まで待つ。自分の中で何かが変わるまで待つ。自分の子どもが変わっていくまで待つ。

 本音で人間と向き合い、学びから何かをつかみとるためには、極端な話十年単位の時間が必要なのです。

 「そんなに待てない」というあなた、とりあえず本書「質問する、問い返す」を読んでみてください。
 
 すぐに何かをつかみ取ろうと焦ると、いかに大きな損失があるか。
 逆に、自分、周囲の人間、学び・・・生きること全てとじっくり向き合うことで、いかに大きなものを得ることができるかを知ることができるでしょう。

 今、入試などに焦っているならば、まず本書を読むことをおすすめします。
 焦りが嘘のように消え、真の学びに行きつくことができ、夢を叶えることができますよ。
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 本書の著者・名古谷隆彦さんは通信社の記者。
 名古谷さんは様々な学びの現場を取材し、「主体的に学ぶこと」「正解のない問いを考えつづけること」について考察していきます。

 そこで重要なのは、とにかく「物事を長い目で見る」ことと「小さな声を逃さない」ことです。

 たとえば、ある小学校で導入された「学び合い」は、子どもたちの学力・人間力をおおいに伸ばす例として紹介されています。
 
 子どもたちが自ら、授業をよく理解できている子のところに集まり、わからないところを教えてもらう学び合い。
 その時の子どもたちの活発さは、保護者が一瞬「学級崩壊!?」と目をむいてしまうほどです。

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 そこで重要なのは、「物事を長い目で見る」ことと「小さな声を逃さない」こと。
 物事を短期的に見ようとすると、「なぜ優秀なわが子ができない子の世話をしないといけないのか」といった考えが頭をもたげてしまいます。

 でも、人に教えるということはさらに理解を深めることになるので、長い目で見ると「できる子」にも非常に有意義なのです。
 そして、いつもは目立たない子が思わぬ力を発揮することもあります。

 「学び合い」を通じて、子どもたちが学力・人間力をつけていくことは火を見るよりも明らかです。

 本書では他にも、「あいさつはなぜ重要か」「福島の原発事故についてどう思うか」等々に関する議論を紹介。

 すぐに結論を出そうとすると正論に落ち着いてしまい、皆「自分で考える」ことをあきらめてしまいます。
 
 しかしここで「小さな声を拾う」努力をすることで、人はさらに考えを深めることができます。
 そこに「正解のない問い」の意義が産まれます。

 正解のない問いをしつこいほど考えつづけ、小さな声を拾い、共有し、また考える。
 それは出口がない作業で、大学入試には間に合わないかもしれません。

 でも人生を、より豊かなものにするためには時間をかけることがとても重要なのです。

 「すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなる」という言葉がちょっと流行りましたが、本書が描く学びの現場は、まさにそういうことを訴えているのです。

 逆に、すぐに結果を得ようとしたがために、教育者がこぞってとんでもない行動をとってしまった例も紹介。
 その愚かさは、読んでいるだけで恥ずかしくなるものですが、他人事とは思えませんでした。

 私には、そして私の子どもには何を残してやりたいか。
 辛いことがあった時に支えとなるものをつくるためには、どのように物事と向き合えばよいのか。

 「質問する、問い返す」は、真に人が豊かに生きるためのヒントを、湧き水のように注いでくれる一冊です。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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