暴言議員は「なかなか寝ない赤ちゃん」!?「もう、怒らない」小池龍之介

評価:★★★★★

 本質は、寝かしつけてもらえなくてイヤイヤをしている赤ちゃんと同じなのです。
(本文引用)
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 最近、女性議員による暴言が話題になっていますね。
 「この、ハゲェーー!!」に始まり、毎日毎日バリエーション豊富な暴言が明かされ、女性議員は総バッシングを受けています。

 でもなかには、こう思った女性もいらっしゃるのではないでしょうか。

 「私のことかも」

 暴言を吐いた女性議員のことを「私のことかも」「まるで私みたい」と思った方は、意外と多いのではないか。
女性議員のことを批判しきれない、笑えないと感じた女性はたくさんいるのではないかと思うのです。




 ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが、お母様に「次はあなたね」と言われたとのことですが、どこか笑えません。

 さすがにこの女性議員ほどキレることは、あまりないかもしれません。
 でも「私もこうなってしまうかもしれない」「いつなってもおかしくない」と真剣に思っている女性・・・特に母親は多いと思います。

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 そこで私は女性議員を批判するのでなく、他山の石としたいと思い、この本を手に取りました。

 小池龍之介著「もう、怒らない」

 小池龍之介さんは、東大卒の住職として話題になった方ですが、読んでいると心が落ち着く・・・というよりも、着眼点の斬新さに目を見張ります。

 小池さんが主張する怒りの原因と処方箋は、まるで新たに発見された医学的見地から、即効性のある新薬を作ったかのようですよ。
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 「もう、怒らない」では、「なぜ人は怒るのか」「怒りがエスカレートするのはなぜか」などについて細かく分析し、それを止める方法を伝授します。

 本書を読んでいて最も印象に残ったのは、怒りの根っこには「幼児的欲望」があるという主張です。

 小池さんは赤ちゃんの寝ぐずりについて、こう語ります。 

赤ちゃんの望みは「眠りたい」ではありません。そうではなく、「私が眠いことをあなたたちは察しなさい。そのうえで私を王様のように扱い寝かしつけなさい。そうしたら私は、あなたたちから愛情を注がれていると実感し、安心して眠ってあげます」ということです。


小池さんはそんな「赤ちゃんのねぐずり」を、大人の怒りにシフト。 

世間では社会的に地位が高い人ほど、病院などで待たされると、「何でこんなに待たされるんだ」と怒りがちです。これは見ず知らずの医師や看護師や受付の人からすらも特別扱いをされて愛情をもらいたい、という欲望の裏返しです。表面的には「待たされて貴重な時間のロスが生じるのが嫌だ」と思っていても、その本質は、寝かしつけてもらえなくてイヤイヤをしている赤ちゃんと同じなのです。


 この「自分を特別扱いしてほしい」から怒る、軽んじられた気がするから怒る、という解説には非常に納得。

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 よく考えると、肩がぶつかったり足を踏まれたりした時、すぐに謝ってもらえると「自分を敬ってもらえた」と感じ、怒りはスッと引いていきます。

 でも逆に謝ってもらえないと、たとえ相手が見ず知らずの人でも「こっちは痛い思いをしたというのに謝らないとは、どこまで私を馬鹿にし蔑んでいるのか」という気持ちになります。

 そう、要するに「自分は蔑まれた」「特別扱いしてもらえなかった」という感情は、怒りを爆発させる燃料になってしまうんです。

 女性議員の暴言、社会的地位の高かったおじいさんの怒号、部下へのパワハラ、学校でのいじめ、そしてファシズム・・・それらは全て、根っこは同じ。

 自分を敬ってもらえないことへのフラストレーションが、激しい怒りとなって現れるんですね。
 この解説には膝を打ちました。

 さて、敵を知り己を知れば百戦危うからず。

 怒りの根っこがわかれば、怒りの抑え方も見えてきます。

 「もう、怒らない」に書かれている怒りの処方箋は、どれも今すぐにできるものばかりなので良いですよ。

 そして終盤になると、怒りのみならず「負の感情」全体のコントロール方法も紹介。

 最終章「穏やかな心を保つレッスン」では、自慢や悪口のもたらすデメリットを繊細な筆致で解説し、そのうえで平静な心を保つ方法を教えてくれます。
 これが勉強になるんですよね~。

 暴言女性議員の事件で、「次は私かも」と一瞬でも思ったら、この「もう、怒らない」を手に取ってみてください。

 怒りをコントロール、マネジメントするのはなかなか難しいですが、読むうちに「次は私かも」という気持ちが「私は大丈夫」へと変化しますよ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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