カール販売停止!お菓子の生き残り競争は想像以上に過酷だった・・・。「『ポッキー』はなぜフランス人に愛されるのか?」三田村蕗子

評価:★★★★★

  「普通は、お菓子を口のなかに入れるともぐもぐして、しゃべれないじゃないですか。でも、『ポッキー』なら何かをしながらでも、食べられる」
(本文引用)
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 あの明治の「カール」が販売不振のため、東日本での販売を終了するそうですね。

 その代わり、西日本では「カール」の売り切れが続出。
 噂によると「カール」が高値で取引されており、もはや「カールバブル」が起こるのではないかと私は危惧しています。

 いつも傍らにあった「カール」、知らない人はいない「カール」、まさにそれにつけてもおやつは「カール」・・・。

 そんなカールが姿を消すというのは、日本の歴史においてかなり衝撃的な出来事といえるでしょう。

 というわけで今回、ご紹介するのは「『ポッキー』はなぜフランス人に愛されるのか?」



 私たちが日ごろ食べているお菓子=生き残っているお菓子というのは、生き馬の目を抜くものすごーく熾烈な競争を勝ち抜いているお菓子なんです。

 その確率は「センミツ」

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 さて、ではお菓子メーカー各企業は、どのような戦略を立てて自社のお菓子を広めているのでしょうか。
 そこには、我々消費者からは見えない驚きの戦略がありました。
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 本書は日本のスナック菓子が、いかに世界でウケているかを濃厚に描いています。
 ただし、味云々ではなく「戦略」が中心。

 いくら日本のお菓子が味や包装、ネーミングで優れているからといって、放っておいても売れるわけがありません。


 著者は実際にお菓子メーカー各社に出向き、彼らのグローバル戦略を聞き出すのですが、そこで得た感触は「バリバリ」と「ゴリゴリ」

 著者は題材がお菓子ということで「ホノボノ」とした雰囲気の企業や社員を思い浮かべていたそうですが、実態は「ホノボノ」していると抹殺されるほどの厳しい世界だったのです。

 前職は大手商社で、現在はカルビーの海外事業部に籍を置く男性は、こう語ります。 

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「カルビーは2010年から本気で海外に乗り出しました。我々もその波に乗って外から引っ張られてきたんですよ。カルビーの海外販売比率は8%程度ですが、近い将来には30%にまで持っていきます。いってみれば、我々は海外事業請負人というか必殺仕事人。うまくいかないと必殺されてしまうかもしれませんが(笑)」

 「じゃがビー」、「カラムーチョ」、「ベビースターラーメン」、「柿ピー」、「ポッキー」・・・どれも本当に「ホノボノ」という言葉が浮かんでくるお菓子ばかりですが、それが売れる裏はまさに「バリバリ」と「ゴリ
ゴリ」。

 この国の人はどんな味を好むのか、あの国の人はどんな生活様式のなかでお菓子をつまむのか。

 世界各国で繰り広げられる「日本のスナック菓子狂騒曲」は、まさに「必殺」「抹殺」覚悟の厳しさなのです。

 そのなかで印象的な成功例は、森永ハイチュウ。



 ハイチュウは「オレオ」「キットカット」「m&m’S」と肩を並べる大ヒットブランドなのだとか。
 そのブームの火付け役は、ちょっと日本では考えられないもの。
 でも確かに海外(特に米国)の人たちの間ではしばしば見られる光景です。

 さて、誰がハイチュウを食べて、誰がそれに影響されてハイチュウを食べているのか。

 ハイチュウって確かに美味しいですが、私の中では「小学生の子どもが友だちと交換して食べる物」ぐらいの認識しかなかったんですよね。

 でも実は、特定の世界の大人に受ける「ある要素」を十分に持ち合わせていたんですね。

 どこで何がヒットのカギになるかわからないものですねぇ。

 その一方で、背筋が凍るほどの失敗例があるのも事実。

 ちょっとしたミスや気のゆるみ、「これぐらいならまあいいか」が、回収、不買運動、最悪の場合役員の逮捕につながることも・・・。

 日本人にとって想定外のトラブルが起きても、そこで勝ち残っていかないと企業の存亡にまで関わる。

 お菓子市場とは、まさにバリバリ、ゴリゴリ。
 必殺抹殺切腹覚悟の世界なのです。

 カールの販売停止は国内だけの問題のようですが、本書を読むと、その決断にどれだけの戦略と試算がからんでいるのか思いをめぐらせてしまいます。

 なぜカールは売れなくなったのか。
 カールが西日本のみで売られるということに、どんな意味があるのか。

 「『ポッキー』はなぜフランス人に愛されるのか?」を読んでからニュースを改めて読むと、意外な真相が見えてくるかもしれませんよ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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