読めばあなたもベストセラー作家!? 「ベストセラーコード」で「売れる文章」を徹底解明!

評価:★★★★★

  ベストセラーの文章は、けばけばしいクリスマス・ツリー――色がぶつかり合い、ピカピカとライトが光り、安っぽい飾り物やエンジェルや星がぶらさがっている――ではない。モミの木とシンプルさを際立たせたほうがずっといい。
(本文引用)
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 「この作家の本は面白いに決まってる」
 世の中に、そう認知されている作家さんっていますよね。

 海外でいえばジョン・グリシャムやダン・ブラウン、スティーヴン・キング、ジェフリー・ディーバ―等々。

 日本なら村上春樹さんはもちろん、東野圭吾さんや池井戸潤さん、奥田英朗さん、有川浩さん、宮部みゆきさん、湊かなえさん等がそうなのかな?

 そんな作家たちの文章には、どうやらある共通点=「ベストセラーコード」があるようです。



 ただ「面白い、面白い」と読んでいたあの小説もこの小説も、統計学・計量学から分析するとこんな特徴が隠されていたんですね・・・。

 データとアルゴリズムを駆使して、ベストセラー500冊と売れなかった本4,500冊を徹底研究!
 「ベストセラーコード」は、その研究結果を余すところなく綴った異色の本です。

 本書を読めば、誰でもベストセラー作家になれるかも!?
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 本書「ベストセラーコード」の著者ジョディ・アーチャーとマシュー・ジョッカーズは、共に大変な読書家。

 ジョディは出版社に勤務していた時、常にこんなことを考えていました。 

「ベストセラーになる本はほかの本とどう違うのか。なぜ、それが売れるのか」

 ジョディがそんな疑問を持っていた頃、世間ではダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチ・コード」が爆発的ヒットを記録中。


 でもその後、どんなに似たような小説が出版されても、「ダ・ヴィンチ・コード」のようには売れない。
 その事実に気づいたジョディは、「ベストセラーに書かれている文章や言葉には、何か成功の秘密があるのではないか」と考えます。

 一方のマシュー・ジョッカーズは現在、大学で英文学の准教授を務めながら、テキスト・マイニングの第一人者として研究を続けています。
 テキスト・マイニングとは文字列を対象としたデータ分析で、文章を単語や文節などで区切り、そこから「未知の情報」を探り当てるもの。

 ジョディの「ベストセラーに書かれている文章には、どんな秘密があるのか」という疑問と、マシューの研究。
 「ベストセラーコード」は、この2つが見事にドッキングしてできた一冊なのです。

 本書を読んでいて面白いのは、ベストセラーに関する「既知の秘密」と「未知の秘密」を気づかせてくれること。
 つまり、「すでに多くの人がわかっていたであろう秘密」と「今まで全く気づかなかった秘密」を、両方教えてくれるのです。

 たとえば「既知の秘密」は、これ。 

「知っていることを書け」

 本書によると、ベストセラー作家ジョン・グリシャムとダニエル・スティールの全著作をコンピュータに分析させると、この「知っていることを書け」の鉄則を守っていることが判明。

 弁護士のグリシャムは法律について書き、幾度もの結婚・出産を経験し、子どもの死という深い悲しみを味わっているスティールは、やはり家庭生活をテーマとして小説を書いています。



 これは、日本のベストセラー作家にもおおいに当てはまりますよね。
 池井戸潤さんなんてその最たるもので、銀行員出身なだけに、必ず「銀行の融資」の話が出てきます。
 もはやワンパターンを越えて形式美ともいえる池井戸小説ですが、ちゃーんと「ベストセラーの鉄則」にかなっているんですね。


 東野圭吾さんもエンジニア出身を活かした技術的なトリックが多いですし、医師である渡辺淳一さんは医療ものなど、「知っていること」を書いて成功しているベストセラー作家さんって、実はとても多いんですね。

 このように「ベストセラーコード」は、すでに多くの人が認識していた「ベストセラーの秘密」をコンピュータで客観的に解明。

 「池井戸潤さんって、いつも銀行ものだなー。でも面白いから読んじゃう! 私って単純?」なんて不安に思っていたのですが、そんな心配をすることはなかったんですね。

 まんまとベストセラーの法則に乗っかってしまっているという事実は否めませんが、決して間違いではない、おかしいことではないとわかり、ホッとしました。

 でも、この「ベストセラーコード」の分析はそんな甘いものではありません。
 実はベストセラー作家は、漫然と「知っていること」をつらつらと書いているわけではありません。
 そこにはある黄金比があることを、ご存知でしたか?

 黄金比については、ぜひ本書を読んで確かめてみてください。
 思わず、今まで読んだベストセラー小説を読み返してしまいますよ。
 (私も池井戸潤さんの小説を、書棚から引っ張りだしてザーッと読み返してしまいました。
 確かにその「黄金比」が当てはまるような気がします。)

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 ジョディとマシューの分析は、さらにズブズブとベストセラーの海に入り込み、緻密さを極めます。

 「売れる本」と「売れない本」、書き出しの違いは?
 I would とI’d 、「売れる文章」はどっち?


 なかでも、主人公が多用する動詞の分析は圧巻。

 need, want , ask , hant , drop , wait・・・
 さて、このなかで「売れる本」の主人公が使う動詞はどれ? 逆に「売れない本」の主人公が使うのは?


 文章をコンピュータで分析すると、ここまで特徴が露わになるのかと、ただただ驚愕。
 ベストセラー作家がここまで1つひとつ意識して書いているのかどうかは謎ですが、私たち読者が、本書で分析される「売れる文章」「売れる言葉」に見事に惹きつけられていることは確か。
 それをここまで丸裸にしてしまうとは・・・いやはや、まいりました。

 「ベストセラーコード」をそっくりなぞれば、すぐさまベストセラーを生み出せるわけではないかもしれません。

 でも、ここまで「売れる」エッセンスを暴いた本は、未だかつてなかったはず。

 本書にそって、「売れるストーリー」「売れる文章」「売れる言葉」「売れる主人公」を作り出せば、やみくもに書くよりははるかにベストセラーに近づけることでしょう。

 「ベストセラー」と「それ以外」、「売れる本」と「売れない本」を残酷なまでに客観分析した「ベストセラーコード」。
 これを読めば、あなたもベストセラー作家になれるかも!?

(※その前に、本書を片手に、お手持ちのベストセラー小説を読み返すことをオススメします。
ものすごい当てはまりっぷりに、思わず「アハハ~ッ、ホ~ントだ!」と笑ってしまいますよ。)


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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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