東野圭吾短編集「素敵な日本人」感想。評判通りの面白さでストレス解消できました。

評価:★★★★★

 包装紙を開き、ほぼ正方形の平たい箱の蓋を取った。中を見た瞬間、ぎくりとして手元を狂わせた。
(本文引用)
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 東野圭吾さんの短編集・・・ということは、「ハズレなし」のミステリーが一度に何話も読めるということ。
 これを見逃す手はないでしょう! ということで、買いました読みました「素敵な日本人」。

 東野作品らしく、骨太のミステリーが8編収められているのですが、どれも30ページほどなので合間合間に楽しめます。
 頭が働かなくなった時に、チョコレートを一粒食べるような感覚で読めば、しばらくは読書の楽しさとミステリーの甘美さに浸れるはず。

 私はこの短編集のおかげで、ものすごーくストレスが解消されました。

 面白いミステリーをつまみ食いするように読むのって、こんなに心がウキウキするものなんですねぇ。
 東野圭吾さん、いつもありがとう!!!



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 先に書いたとおり、本書にはショートミステリ―が8編収録されています。

 お正月早々、重傷を負って倒れる町長、売れっ子小説家に近づく美女、好みの女性とアニメの話で盛り上がる男性、一人娘を名家に嫁がせることに不安を抱く父親・・・。

 物語の内容はハードボイルドなものから、日常生活の小さな謎を描くものまで実に様々。
 純粋な刑事ものが好きな方も、死傷者が出ないハートウォーミングなミステリーが好きな方も満足できる一冊です。

 そのなかでも私が好きなのは「壊れた時計」

 主人公の男性は、インターネットを通じてちょっとした犯罪の片棒を担がされます。
 ところが図らずも、彼は人殺しをしてしまうことに。

 彼は犯行時刻をごまかすために、あれこれ思いを巡らせます。
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 依頼人がこう言っていたにも関わらず。 

「余計な小細工はしないほうがいいんだ。わざとらしいのは禁物。わかったな」


 さて、主人公の行く末はいかに?

 この物語は、「刑事コロンボ」を観ているようなジワジワ感がありましたね~。
 内心冷や汗をかいている主人公と、「うちのかみさんがね~」と今にも言い出しそうなちょっととぼけた刑事さん。

 でも、ドスッとストレートに核心をついてくる刑事さんの詰問に、主人公は次第に追い詰められます。

 そしてラスト、主人公は刑事の質問に対し、頭の中でこうつぶやきます。 

俺は、刑事の顔を見上げた。刑事の目は好奇の光で満ちていた。

 

何といって説明したらいいだろうとぼんやり考えていた。

 マジメさが仇となり、背水の陣に陥る主人公。
 そんな彼の姿は、思わず読む者の心を締め付けます。

 まったく、あれほど小細工するなって言ったのにねぇ・・・。

 他に印象に残っているのは「今夜は一人で雛祭り」

 主人公の男性は妻を亡くしており、父一人娘一人で過ごしています。

 しかしついに、愛娘を嫁がせることに。
 しかも相手は超名門の家で、お作法や食材1つひとつにも監視の目が光ります。

 そんな家にお嫁に行くことで、娘が不幸になるのではないか・・・男性はそう案じますが、お雛様を飾っているうちにある事実に気がつき・・・?

 この物語は、北村薫さんなどが好きな方におすすめ!
 非常に手の込んだ設定であることに加え、心に温かいものが残る内容で、感心するやら感動するやら。

 ミステリ―で頭をほぐしながら、ホッと一息つきたい。

 そんな時にピッタリの一話ですよ。

 東野圭吾短編集「素敵な日本人」は、タイトル通り素敵な日本人が交錯、活躍する一冊。
 日常生活にストレスを感じたら、コーヒーを淹れるような感覚で一話一話読んでみてください。
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 豊饒で優しいミステリーの香りに、いつの間にかストレスが消えていますよ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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