祝・本屋大賞!再掲載「蜜蜂と遠雷」恩田陸直木賞とダブル受賞!

本屋大賞に、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」が選ばれました!

 「蜜蜂と遠雷」は直木賞も獲得した作品。
 これまで直木賞と本屋大賞をダブルで受賞した小説は、ほとんどなかったのでは?

 それだけこの「蜜蜂と遠雷」が素晴らしい小説ということですね。

 私もこの本は、発売されてすぐに読みましたが、大長編なのに全く飽きずに読めたことにまずビックリ!

 ちょっと「のだめカンタービレ」の香りを思わせる物語で、エンタテインメントとクラシックがガッチリと融合した見事な作品です。

 読んだ当初の感想を再掲載しますので、よろしければお読みになってください。

 これから「蜜蜂と遠雷」を読まれる方のご参考になれば幸いです。

 また、すでに読まれた方の振り返りの一助となれば嬉しいです。

 ではどうぞ!
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評価:★★★★★

 「僕らは音楽が本能なんだ。だから歌わずにはいられない」
(本文引用)
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 500頁超で上下2段。最初は「読み切れるかな?」と少々不安だった。

 しかしそれは杞憂だった。読み始めてから読了まで、全く飽きることなく、長さを感じることなく、文字に吸い込まれるようにして読んだ。
 終盤には、左手で支える紙の量が少なくなるにつれて、寂しさが猛烈に募った。

 「ああ、もう終わってしまう。この物語も、このコンクールも!」
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 物語の舞台は、日本で行なわれる、あるピアノコンクール。



 このコンクールを制する者は、世界最高峰の国際ピアノコンクールを制すると言われている。そんな注目株のコンクールだけあり、世界中から若く新しい才能が集まってくる。

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 かつて天才少女ともてはやされながらも、あるきっかけで長らくピアノから離れていた20歳、サラリーマンで妻子もいる年齢制限ギリギリの28歳、名門音楽院在学の高い演奏技術とイケメンぶりで人気の19歳・・・。
 経歴は様々ながら、皆、「ピアノの天才」である点は共通している。

 そんな彼らに、世界的演奏家からある「ギフト」が贈られる。
 それは16歳の少年。養蜂家の父について日本中をまわっており、何と家にピアノがないという。しかし、その少年がいったん鍵盤に指を置くと、会場中が彼の演奏に夢中になってしまう。

 そんなコンテスタントたちが繰り広げるピアノコンクールが、今、幕を開ける。
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 本書ほど、「素敵に裏切ってくれた」と感じた小説はなかなかない。
 その「裏切り」のひとつは、複眼的な視点だ。
 私はてっきり、この物語は、風変わりで天然な天才が旋風を巻き起こす、「ピアノ版ガラスの仮面」のような内容だと思っていた(あ、天才少年が北島マヤね)。
 要するに、異色すぎる16歳の少年を囲み、審査員も出場者も「怖い子・・・」と慄いて終わりだと予想していたのだ。

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 ところが、これが違った。そしてそれが何より良かった。
 かつて天才少女としてジュニアコンクールを総なめにした少女の視点。音楽家を志しながらも、サラリーマンに落ち着いてしまった男性の視点。そんな彼を伴侶にした妻の視点、そして審査員の視点・・・。
 誰もが、自分にしかない視点からこのコンクールを見つめており、自分にしかない闘い方でこのコンクールを乗り越えようとしている。

 これだけ長尺なのに、全く飽きることなく読めたのは、その複眼的なストーリー展開のせいだろう。
 たった1つのコンクールに、これほど多くの感情が渦巻いているとは。これほど多くの人生が賭けられているとは。
 コンテスタント、その家族、そして審査員たちの思いが非常に丁寧に描かれているため、その重みに圧倒された。

 また別の「素敵な裏切り」として、クラシックに詳しくない人でも楽しめる点も挙げられる。

 出場者たちの演奏曲が、いきなり冒頭で詳しく書かれているため、「クラシックなんてわからない!」と逃げ出す人もいるかもしれない。が、そこは大丈夫。
 誰もいなくても歌う鳥のように、ピアノを弾く者たちの物語だ。クラシックではなくロックやポップスに傾倒している人でも、いや、音楽に興味はないけど寝食を忘れて没頭できる趣味がある人なら、きっとこの物語に心酔できることだろう。

 そしてこの物語のエンディングと共に、心の中で万雷の拍手が聞こえてくることだろう。
 誰のものでもない、自分だけの人生に。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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