忍者になりたかった人は必読!「歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ」磯田道史 

評価:★★★★★

 武士がちょんまげを結わないと、どうなるか。校則のきびしい学校のように頭髪検査があって𠮟られるのか。ふと、そんなことが気になった。
(本文引用)
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  磯田道史氏といえば、「武士の家計簿」で一気にスターダムに上がった歴史学者。
 磯田氏の著書はいずれも、今までありそうでなかった視点から書かれたものばかり。読めば必ず「歴史って面白い!」と踊り出したくなるような内容だ。

 この「歴史の愉しみ方」はその真骨頂といえる一冊。
 タイトルどおり、心から「歴史を愉しむ」ことを教えてくれる本だ。
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 本書の本編は、こんな言葉から始まる。

忍者の話をしたい。



 さらに次の次の章は、こんなフレーズから始まる。

忍者はどれぐらい危険な仕事だったのか。



 そう、本書はいきなり忍者の実像にグイグイと迫っていく。子どもの頃、誰もが一度はなりたいと思ったであろう「忍者」。

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 私も子どもの頃、腰にトイレットペーパーを巻き、地面につかないように走る練習をしたものだが(実話)、それぐらい忍者というものは人を惹きつける存在である。

 そんな忍者の正体を知ることができるなんて、と胸躍らせながら本書を読み進めてみるが、そこはさすが忍者。
 磯田氏ほどの歴史学者をもってしても、その研究は困難を極めたという。

 しかし面白いことに、そうこうしているうちに「ほんとうに忍者からメールがきた」という。
 何とご先祖が甲賀忍者であったという人から、調査に協力したいとの申し出があったというのだ。

 それを発端に、忍者の仕事や技、そして赤穂浪士の背景に潜む忍者の活躍まで明るみになる。これは、かつて忍者を志した経験のある大人にとっては、そんじょそこらの恋愛よりもときめくものである。

 なかでも、忍者が遺した「生物化学兵器の製造法」が面白い。
 他の者に知られないように暗号で描かれた毒薬レシピ。それを根気よく解き明かす磯田氏の姿には、思わず息を呑む。

 これはかなり「日本史の闇、暗部」という気もするが、闇というのは常に魅力的なもの。
 磯田道史はまたも、ありそうでなかった「歴史の愉しみ方」を提供してくれたようだ。

 本書ではその他、ちょんまげの意味や災害の歴史、関ヶ原の合戦の謎などを徹底究明。
 時には、それが高じて夫婦ゲンカなども起きているようだが、そんな「日常×歴史」の見事なコンビネーションも磯田氏ならでは。

 歴史学者というものは、そして磯田道史という人物は、とにかく歴史のことで頭がいっぱいなのだろう。
 きっと歴史のことを考えているだけで幸せで、どんな話をしていても、気がつけば歴史の話になっているのだろう。
 本書は、そんな「磯田道史の頭ん中」がうかがえる一冊だ。

 特に、新幹線が岐阜付近を走ると挙動不審になるというエピソードには笑った。
 東海道新幹線で岐阜あたりを通る瞬間にソワソワしはじめた人がいたら、その人こそスター歴史学者・磯田道史氏かもしれない。
 今度、新幹線に乗ったら注目してみよう。

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 歴史を好きになりたい方、そしてもともと歴史は好きだが、ちょっとマニアックなことを知ってみたい方、何もかも捨てて歴史にどっぷり浸かりたい方・・・そして何よりも「子どもの頃、忍者になりたかった方」。

 磯田道史著「歴史の愉しみ方」は、そんな方にピッタリの「おもしろマジメ」な歴史エンタテインメントだ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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