わかりやすく話す方法はこれ一冊で完璧!「教養バカ ~わかりやすく説明できる人だけが生き残る~」竹内薫

評価:★★★★★

 相手の顔を見ながら、ストレートに伝えたり、ときにはいい換えたり、それらをスムーズに行なうには、あなたが使える食材(語彙)とレシピ(表現方法)を増やすのが近道です。
(本文引用)
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 「あなたのコミュニケーションは『伝えた』ですか? それとも『伝わった』ですか?」

 いざこう問われると、「ううっ」と言葉に詰まってしまう。

 自分では伝えたつもりが、気がつけばそれは「伝えた」という事実を作りたかっただけだったり、単なる知識のひけらかしだったりする。

 誰かに物事を伝えるときには、「伝えた」以上に「伝わった」ことを意識しなければならない。伝わっていなければ、どんな苦労も水の泡。伝われば、仕事も人生もうまくいく。

 本書は、そんな「伝える」と「伝わる」の違いを徹底解説し、「伝わる」技術を伝授していく。



 教養があることを鼻にかけて他人を排除すれば、それは「教養バカ」。
 言葉や表現方法を磨き、何人をも排除せず、常に人に「伝わる」ことを心がければ、それは本当の「教養人」。

 本書を読めばきっと、教養バカから教養人に生まれ変わることができる!



●概要


 空前の教養ブームのなか、著者は「真の教養」について説いていく。

 教養とは、ただ知識を豊富に持っていることではない。
 幅広い知識に加え、常に公共心を持ち、多面的な見方で社会を見つめていることだ。
 つまり、真の教養を持つ人が増えると、「社会全体を見る視点や知恵が増えて、社会が豊かになってい」くと、著者は主張する。

 そんな真の教養人になるために必要なことは、「わかりやすく伝える力」。

 他人の感情に配慮し、わかりやすく伝える話し方=「伝わる」話し方こそが、教養のある話し方といえる。

 ではどうすれば、そんな話し方ができるようになるのか。
 本書ではその訓練法を詳しく紹介していく。



●「教養バカ」のここが面白い!


 これは竹内薫氏の本に共通していることなのだが、本書はとにかく実例が豊富で、トレーニング法もキメ細やか。
 よって、すぐに実践したくなるのが、この本の魅力だ。

 たとえば、わかりやすい話し方としてこんな例が載っている。

スタッフ「炭素繊維って何ですか?」
竹内  「炭素繊維は非常に軽くて、長持ちする素材ですよ。カーボンファイバーです」
スタッフ「なぜそんなに強いんですか? 炭素ですよね?」
竹内  「ダイヤモンドも炭素ですよね。ダイヤモンドはすごく硬いでしょ。ダイヤモンドは思いから、それを繊維状にして軽くしたと思えばいいんですよ。鉄より重く、アルミより軽いといわれています」
スタッフ「なるほど!」


スタッフ「そういえば、カーボンって、テニスラケットにも使われていますよね」
竹内  「そうです! 最近では、ゴルフクラブや飛行機にも使われています」
スタッフ「それ、イメージしやすいですね!」


 この「イメージしやすいですね!」が「わかりやすい話し方」の肝だ。
 ここまで優しい言葉で話すと、教養のない話し方のように聞こえるかもしれない。しかしそう思うのは、教養バカに陥っている証拠。
 小学生でもわかるように、映像が浮かぶように話すのが、真の教養ある話し方なのだ。

 本書では他にも「教養ある話し方」の訓練法をひたすらわかりやすく紹介。

 「類語辞典を読む」「文系と理系を混ぜる」など、首がもげるほどうなずけるものばかりだ。

 そして読むうちに、自分の視野の狭さをも思い知らされる。

 人間と鳥には、同じ花を見ているのに、全然違う見え方をしています。
 見える世界が違うと、考え方も変わってきます。自分の見え方だけで行き詰まってしまったら、他の人はどうやって見ているんだろうと視点を変えてみることで、視野が広がることがあるのです。
 わかりやすく説明できる人を見たら、どういう工夫をしているんだろうと観察するのもよいでしょう。


 本書を読む最大のメリットは、自分の狭さを知り、自分を広げる意識を持てることだ。

 教養のある話し方とは、他人にとってわかりやすい話し方。
 他人にとってわかりやすい話し方とは、自分以外の視点をもった話し方。
 自分以外の視点をもった話し方ができる人は、様々な視点を広い視野を持った人。

 本書を読めば、この三段論法でもって「教養のある人間とは、公共心と広い視野を持つ人間である」という原点に立ち返ることができるのだ。
 


●まとめ


 本書にそって考えると、今、人類史上最大に「教養バカ」が生まれやすい時代といえる。

 なぜなら、ネットで何でもすぐに検索できて、即席で得た知識で当座を乗り越えることが可能だからだ。

 しかし本書では、そんな知識収集法に警鐘を鳴らす。 

検索後は、調べたことを記憶するのではなく、「ネットで調べればわかる」ということを記憶してしまうようです。

 つまり、真の知識は何ら身につかず、「ネットで調べればわかる」という知識(?)だけが頭に残るのだという。

 さらに竹内氏は、少ない語彙数で検索をし、ヒットしたページから情報を仕入れると、それは間違いだらけの内容かもしれない、とも語る。

 どんどん視野が狭まり、他人の視点を持てず、真贋の怪しい知識ばかりが豊富になる。
 いやそれどころか、その知識すら頭に残らないかもしれない。

 それはまさに「教養バカ」一直線である。

 そんな時代だからこそ、この本は必要だ。

 「わかりやすい話し方」という視点を通して、自己中心的な社会から公共心あふれる社会へと導いていく。
 「伝える」ではなく「伝わる」話し方をすることは、生きやすい社会を作るために最も手っ取り早く、最も確実な方法なのだ。

 まずは自分の勉強や仕事のためだけに、この本を読んでみよう。
 そしてこの本の内容を実践するうちに、当初思っていたよりもはるかに大きい効果があることに、きっと気づくことだろう。

 「教養ある話し方」は、自分の人生も他人の人生も幸せにするのである。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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