クランクイン  相場英雄

評価:★★★★☆

 「一体全体、どうなってるんだ」
(本文引用)
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 騙されないぞ~と構えていると、騙される。そう思い、騙されないぞ~と構えず自然でいるよう努めると、やはり騙される。
 もう、これから本を読む時はどうすればいいの?何を信じて生きていけばいいの?

 「震える牛」や「ガラパゴス」等で社会の裏側を濃厚に描き切ってきた相場英雄氏だが、ここへきて突然の方向転換!?
 思いっきりエンタメ色満載の新刊は、私の読書人生を狂わせてしまうかもしれない快作、いや、怪作だ。

 騙されないように何重にも気をつけてたんだけどなぁ・・・う~ん、悔しい!
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 主人公の根本崇は広告代理店に勤めている。



 ある日、根本のもとに大きい仕事が舞い込んでくる。それは、350万部を売り上げたベストセラー小説の映画化だった。
 大の映画好きということで、根本に白羽の矢が立ったわけだが、大ベストセラーの映像化だけに問題も課題もてんこ盛り。

 原作者の承諾、脚本や役者の手配、それに伴う資金集め・・・。

 次から次へとぶつかる難題に、根本は頭を抱えるが、それとは別の謎も根本を悩ませる。
 それは、行く先々で「親せきに女優さんはいるか」と聞かれることだった。
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 本書の帯には「この小説を映画化?無理無理!」と書かれているため、実は少し予測はついていた。ああ、こういうどんでん返しが待っているのではないかな、と。

 しかし、読むうちにその自信がなくなってきた。

 騙されないように注意して読み、それをうまく交わしたと思っていたら、「あれ?やっぱり私、騙されてる?」と悶絶。
 たとえて言うならば、二重底の箱や抽斗で「ほ~ら、ここに宝物があるでしょ?わかってるんだから!」と自信満々に底を開けたら、確かに宝物は出てきたんだけど、仕掛けた方はまだニヤニヤしていて、騙された方は全く気づいていないような・・・そんな無様な姿を、本書の読者はさらす羽目となるだろう。

 おっと、ちょっとしゃべりすぎたようだ。
 年末年始の休日にコーヒーでも飲みながら、ぜひこの小説をじっくりと味わってみてほしい。
 なお、最後に熱いコーヒーをひっくり返すことのないようご注意を。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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