レイコ@チョート校 ~アメリカ東部名門プレップスクールの16歳~  岡崎玲子

評価:★★★★★

 一年間のドラマを、こうして振り返ってみて、気づいたことは、“What you make of the circumstances is up to yourself.”「どのような状況でも、結果を左右する力は自分にある」ということ。
(「おわりに」より引用)
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 朝日小学生新聞(2016/05/23)の「子どもニュースいまむかし」に、本書の著者・岡崎玲子氏が登場していた。
 
 1997年、当時小学6年生だった岡崎氏は史上最年少で英検1級に合格。 新聞には当時の記事と、現在の岡崎氏のインタビューが掲載されており、英語上達法や人生の歩き方を学べる内容となっている。

 ちなみに、岡崎氏は現在オーストラリア・ビクトリア州で法廷弁護士として活躍している。この「レイコ@チョート校」を読むと、岡崎氏がこのような仕事を選んだ背景が理解できる。そして、このような仕事ができる学力・思考力・行動力の背骨を作ったものも知ることができる。



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 著者である岡崎玲子氏(以下、レイコ)は、「英語で勉強がしたい」という一心で、中学卒業を待たずに米国のプレップスクールに入学する。
 そのスクールは、米国屈指の名門チョート・ローズマリー・ホール。
 そこでレイコは、大量の宿題と徹底的に考えさせる授業、そして世界中から集まる友人たちを通して、知的興奮にあふれる日々を送る。
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 レイコの経歴は華麗だ。幼少時を米国と中国で過ごし、その後小6で英検1級取得、中1でTOEFL670点、中2でTOEIC975点、国連英検A級取得、そして15歳で米国の名門私立高校に入学。そう聞くと、「この本を読んでも、世界が違いすぎて意味がない」と思ってしまうかもしれない。
 実は私もその一人で、最初は「すごい人のすごい話を読むことで、異世界に浸って気分転換しようかなぁ」ぐらいのポワ~ンとした気持ちでページを開いた。

 しかし、読み始めてすぐに、その認識はガラリと変わった。
 これは遠い世界の話では、全くない。チョート校の授業は、今すぐ私たち個々が考え、行なうべきものだと身を乗り出して読んだ。

 なかでも歴史の授業風景は圧巻だ。ただ教科書通りに事実を学ぶのではなく、「もし●●がそうなっていなかったら」と仮定して、どんどん考えを深めていく。
 たとえば「モンゴル勢力の拡大」なら、「もし日本が元に占領されていたら?」「もしモンゴルが北アメリカも支配していたら?」などと様々な角度から仮定を設定し、議論していくのである。
 このような授業を通して、レイコはこう語る。

史実を「もう過ぎてしまって、自分たちに関係ないこと」としてではなく、「常に変化を遂げる、生きているもの」として学ぶ楽しさを知った。


 さらに、2000年の米大統領選における学内での討論、生徒が各国の代表者として意見を述べ合う「パリ講和会議のシミュレーション」の授業風景も強烈だ。
 政治・経済・歴史を完全に自分の中に取り入れて昇華し、自分の意見としてアウトプットする。そして、それらの作業を通してクリティカル・シンキングやコミュニケーション術を磨いていく。
 生徒たちの頭と心を、そうして徹底的に鍛え上げていくチョート校の授業は、非常に学ぶところが大きい。
 何か本を読んだり新聞を読んだり、一家団らんをしたりしているときに、このチョート校の授業を思い出しわずかでも実践してみれば、思考力・創造力・洞察力・スピーチ力のようなものが相当鍛えられるのではないか。

 よって、これは岡崎玲子という非常に優秀な少女が語る遠いセレブの世界の話ではない。
 この世界に生きる者として、何をどのようにして学び、自分の頭で考えて実行していくべきか。それらを濃密に伝えてくれる、実に身近な「人生と学びの指南書」なのである。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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