自分の小さな「箱」から脱出する方法  アービンジャー・インスティチュート

評価:★★★★★

「まず、箱の中にいる場合には、誰に問題があると考える?」
「自分以外の人たちでしょうね」
「では、実際に問題があるのは誰だろう」
「自分自身です」

(本文引用)
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 ラグビー日本代表の五郎丸歩選手が、朝日新聞で「思い出す本・忘れない本」として挙げている一冊。というわけで、ミーハーな私は五郎丸選手のファンでもないのに買ってしまった。

 そして読み終えた今、私は五郎丸選手のファンになっている。こんな本を心に留めている人ならば、そりゃあ多くの人を惹きつける魅力があるはずだ!と完全に惚れてしまった。さらに、ラグビー日本代表があそこまで活躍したのも、この本のメソッドが大きく影響しているのではないかと感じた。

 チームで何かを成し遂げたい、家族や友達、隣人とハッピーな気持ちで前に進みたい・・・。この本は、そんな願いを必ずやかなえてくれるだろう。



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 本書が示す「箱」とは、「自己欺瞞」である。自分の行いが自分の良心に背いていることを知りながら、それを無理やり正当化し、しまいには他人のせいにするという心理状態だ。

 それはたとえば、こんな気持ちだ。

 夜中に赤ん坊が泣いているのを何とかしなくてはと思いつつ、自分が寝ていたいがために、気がつけば配偶者を怠け者扱いして責める。
 自分が急いでいる時に、他人が自分の思い通りに動いていないと猛烈にイライラしてしまう。
 予約しておいた会議室に行ったところ、他の社員が利用しており、一方的に罵倒し追い出した。

 そのような気持ちの時、人は「自己欺瞞」という箱の中に入っている状態で、「実は自分自身に問題があるということが見えなくなっている」という。

 これは結構、思い当たる人が多いのではないだろうか。私なんぞもう当てはまることが多すぎて、読むのが辛くなったほどだ。しかし、良薬口に苦し。これは読み進めるべき本だと気持ちを立て直し、さらにページをめくる。

 するとそこには、箱の中に入っている最大の弊害が待っていた。それを知った瞬間、数十トン級の岩が頭を直撃したような衝撃を受けた。
 何と箱の中に入っていると、「相手が間違った行動をしていなくてはならない」と感じるようになるというのだ。

 たとえば日頃から見下していた人間や、問題児として手を焼いていた子どもが、一般的に見て望ましい行動をしたとする。仕事で手柄を上げるとか、気の利いた動きをするとか、親の言うことを守るといったことだ。
 すると、箱の中に入っていた自分は、相手を責める理由がなくなってしまう。自分を正当化する材料がなくなってしまい慌ててしまうのだ。

 その結果が、この言葉だ。

「実際、息子とわたしの自己正当化ときたら、まあ見事なもので、ほとんど共謀しているといってもいいくらい。お互いに、『ほら、あんたにひどいことをしてやるよ、そうすりゃあんたは俺を責められるだろ。そしてあんたが俺にひどいことをすれば、俺はあんたを責められるってわけだ』って、いいあっているようなものなの。」


 これにはもう、参った。頭を地面にこすりつけたくなるぐらい、参った。
 たとえば私の場合、夫や子どもが「自分をイライラさせる行動をとってくれている」と、「イライラしている自分を正当化できる」からむしろありがたい。
 しかし、夫が気の利いた行動をしたり、子どもが進んで勉強をしたりすると、なぜかもっとイライラしてしまい、ひどいことに夫や子供を罵倒できるネタはないかと、あら捜しをしてしまうのだ。
 本書を読み、何と自分は歪んだ認知をしていたのか、と顔から火が出るほど恥ずかしくなった。
 自分がいかに箱の中に閉じこもり、そこに安住して周囲を傷つけていたかに、今更ながら気づいた。手遅れになっていなければ良いのだが、今、この本に出合うことができて本当に良かったと思う。

 読み終えて以来、毎日欠かさず箱の外に出るよう努力している。そうすることで、人付き合いが面白いように楽になった。人間同士って、こんなに光に満ちた楽しいものだったんだな、と開眼。

 少しでも気を緩めると、箱の中に入りこみ、またイライラカリカリモヤモヤしてしまいそうなので、その時のために常備薬のように本書を持ち歩いていようと思う。恐れながら、五郎丸選手と同様に、私にとっても「忘れない本」になりそうだ。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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