30の発明からよむ世界史  池内了:監修 造事務所:編著

評価:★★★★☆

無計画な道路行政は衰退に通ず・・・・・・。現代の為政者に教訓として生かしてもらいたいものです。
(本文引用)
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 先日、新聞で「古文書をコンピューター技術で判読する」という記事を読んだ。
 印刷会社が、江戸時代までの崩し字を自動解読し、電子テキストデータに置き換える技術を開発。それにより8割以上の精度で、古文書を判読できるようになったという。(日本経済新聞「体・験・学 ~古文書の海に乗り出す~」より。2015/12/4)

 それは素晴らしい!とホクホクしながら、この本を読んでいたら、思わぬ衝撃的な事実に出合った。
 実は「現在書かれている文書は将来解読できないかもしれない」というのだ(その理由は、本書を読んでね)。



 歴史を変えた発明は、周囲をザッと見渡しただけでも数多い。本書は、そのなかで30の発明をとりあげ、そこから世界の歴史を探っていく。
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 この本の魅力は、「すぐに誰かに話したくなる逸話・雑学」が豊富に載せられていることだ。
 たとえば「羅針盤」の項には、こんなエピソードがある。
 日本史上、はじめて日本国土の姿を明らかにした伊能忠敬。忠敬は測量家である前に武士だったため、常に帯刀していなければならない身だった。しかし、正確な地図を作るために測量の精度にこだわった忠敬は、測量時は竹光をさしていたという。鉄製品である刀を持っていると、方位磁石が狂ってしまうからである。

 また、「道路」の項も時を忘れて読める面白さ。
 かつてローマ帝国は、勢力拡大や反乱軍制圧のために頑丈な道をどんどん造ったという。ところがその維持費がかさみ、ローマ帝国は財政難に陥り軍事力も弱体化。それと並行して、便利な道路を通って周辺国が次々と攻撃してきたために、ローマ帝国は滅亡したのだとか。
 
 逆に、「道路を造らなかったために衰退した」ものとしてイースター島の文明が登場。
 どれもこれも、「誰かに話したくてうずうずしたくなる」ネタばかりで、これを読んでおけば日常生活のあらゆるシーンで、「これが発明されたのはね・・・」なんて話で場を盛り上げることができるだろう。ぜひ、鞄に一冊しのばせておくことをお薦めする。

 その他、「ガラス」におけるステンドグラス誕生の裏側などは、歴史とは「苦肉の策」でつながってきたということがよくわかる。

 肩ひじ張らずに、「これって、なぜできたのかな」「これがないと、どんな世の中になっていたんだろう」といった子どものような気持ちで読める一冊。
 「ゴムがなかったら、車輪がなかったら、家の中はどうなってるんだろう?」なんてワクワクしながら、ページを繰ってほしい。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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