メンタルが強い人がやめた13の習慣  エイミー・モーリン

「明日、仕事に行かなくちゃ」とつぶやく代わりに、それが選択であることを思い出してほしい。出勤しないことを選べば、もちろん影響は出る。お金はもらえないし、仕事を失う可能性もある。それでも、仕事に行くことは選択なのだ。
(本文引用)
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 私は、中島みゆきの「宙船」という歌が大好きで、心が弱りそうになった時には、その歌の詞を口ずさむようにしている。
 そしてこの本は、私にとって書籍版「宙船」となってくれそうだ。
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 著者エイミー・モーリンは、20代半ばで母と夫を相次いで亡くし、精神的に打ちのめされる。しかし、亡夫の誕生日に夫の両親が起こした行動から、著者はみるみる立ち直っていく。本書で挙げられている「メンタルが強い人がやめた13の習慣」は、その集大成だ。

 その「メンタルが強い人がやめた習慣」とは、「自分を哀れむ習慣」「どうにもならないことで悩む習慣」「自分は特別だと思う習慣」等々だが、私にとって最も参考になったのは「みんなにいい顔をする習慣」である。

 本書で例に挙げられているのは、2人の幼児を抱え、仕事・家事・ボランティア活動にまで精を出し、ママ友や妹から子どもの世話まで頼まれてしまう女性だ。

 人の頼みに「ノー」と言えない彼女は、そういう人を付け狙う猛禽類のような人々に見事にロックオンされ、子どもたちを寝かしつける時間までに帰れない日もあるという。
 そんな彼女のストレスは頂点に達し、ついに著者のセラピールームへ。そこで彼女は、「みんなを喜ばせなくちゃ」という考え方を改め、「ノー」と言える訓練を重ね、本来の自分を取り戻していく。





 こう聞くと、すでに誰もが知っていることばかりが書かれた凡庸な本に思えるかもしれない。
 が、それでは書店で平積みにはならない。この本が書店の目立つ場所で平積みになっているのは、内容の非凡さ故。その非凡さとは、「『自分の苦しみ』=『相手の喜び』ではない」ことが指摘されていることだ。

 自分が「いい人」を演じ、何でも引き受けてしまったり、ノーと言えなかったりするのは、要するに「相手を信用していない」ことになる。
 ノーと言えずにストレスを抱えてしまうのは、相手を信頼せず、コントロールしようとしている証。相手にコントロールされているようでいて、実は自分が相手をコントロールしようとしているのだ。「こうしてくれればいいのに・・・!」と。

 そこで大きく考え方を転換させて、相手を信じてみると、一気にストレスは減らせる。
 この「信じる」とは、相手の言動を素晴らしいものだと称賛したり鵜呑みにしたりすることではない。
 自分が本当に大切だと思える相手なら、たとえ自分が意見をしても、相手は受け止めてくれると信じること。自分が相手の機嫌を損ねても、相手にも己の感情に対処する力があると信じること。
 要するに、「相手にも確立した人格や考えがある」と信じることができれば、自分の人格や考えをそのままぶつけることができるのである。

 本書を読んでいると、メンタルを最も弱らせるのは、やはり人間関係なのだなと改めて気づく。
 しかし、その「人間関係」に対する認識を、本書にそってコペルニクス的に転換させると、悶々と悩んでいることが馬鹿馬鹿しくなってくる。自分にも相手にも、しっかりと人格があり、問題に対処する能力があることを認識すれば、生きるのがグッと楽になる。

 自分にも相手にも、自分だけのオールがある。それを意識することが、相手にオールを任せることなく人生の海を渡っていくコツなのだ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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