400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法  高井洋子

「お客様との関係は恋愛と同じなのよ。おつきあいしたい人がいて初めてデートしたのに、次の約束をしないなんてありえないでしょ」
(本文引用)
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 生産者にとってはもちろん、消費者にとっても、心が晴れ晴れする一冊。
 気がつけば、いつも同じ店で食べていたり、買うつもりのなかった高額商品を買っていたり、何の興味もなかった物に食指を動かしていたりする。
 それらは全て、この「400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法」に隠されていたのだ。
 それがわかってしまった今、純粋な気持ちで街を歩けないような、でも街を歩くのがいっそう楽しみになったような不思議な気持ちだ。
 「儲けること」「儲けさせること」って、思っていた以上に素敵なことなのかも!
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 主人公の前芝洋介は、北海道から上京し、東京タワーの見える場所でカフェを開いている。
 しかし、どうにも店が軌道に乗らず、ついに妻は娘を連れて実家に帰ってしまった。

 そんなある日、ひとりの女性がカフェにやってくる。女性の名前は遠山桜子。桜子は洋介と二言三言話した後、こう切り出す。 

「この店、経営かなり厳しいでしょう?」


 さらに桜子は、こう言い切る。 

「儲けるなんて、簡単なのに」


 さて、桜子が語る「簡単に儲けられる、ある仕組み」とは?
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 なるほど、ふーむ、うんうん、あるある!と何度もうなずきながら、一気に読んでしまった。
 その理由は、文体が読みやすく事例が具体的ということもあるが、何と言っても「生産者・消費者両方の目線から書いている」という点だ。

 本書には、「売る側」と「買う側」の「継続する付き合い」をキーポイントとして「儲け術」を紹介しているのだが、全事例について必ず「売る側」「買う側」の視点を均等に盛り込んでいる。

 たとえば、タイトルにある「400円のマグカップで4000万円のモノを売る」事例。
 これは住宅会社の儲け術で、新卒採用の会社説明会で、学生たちに400円のマグカップとお店の雑貨半額券を渡すところから始まるのだが、この戦略が実に見事!
 本書には、繰り返し「お客様との関係は恋愛と一緒」という言葉が登場するが、まさにこの住宅会社の戦略こそ恋愛そのもの。
 恋愛成就のポイントは、相手が自分と一緒にいて「幸せだ」と感じるように仕向けることだが、この戦略は、その心理をジャストミートに突いている。
 この本で挙げられている成功例は、全て「惚れた人も惚れられた人も幸せ」=「売る方も買う方も幸せ」=「儲け」という図式が成り立っているのである。

 売る方でなく、もっぱら買う方である人も、一度本書に目を通してみてほしい。
 今まで思いもしなかった、「売る側からの絶妙なアプローチ」に気がつき、より賢い消費者になることだろう。
 いや、その前に、人生を思い切り謳歌するハッピーな消費者になるのが先かもしれないな。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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