20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義  ティナ・シーリグ

将来が不確実なのは歓迎すべきことなのだと、誰かが教えてくれればどんなにかよかったのに、と思います。
(本文引用)
__________________________________

 スタンフォード大学の講義というだけで、「どんなに難しい内容なのか!?」と構えてしまいそうだが、内容は驚くほどシンプルだ。
 しかし不思議なことに、その「シンプルなこと」がなかなかできない。それをするだけで、人生は大きく拓けてくるというのに。それを知っていれば、人生がもっと拓けていたかもしれないのに!
__________________________

 この講義のきっかけは、著者の息子が16歳の誕生日を迎えたことだった。
 息子が大学に進学するまで、あと2年しかないと気づいた著者は、息子に宛てて「社会に出たときに知っていればよかったと思うこと」をリストアップしていく。


 その後著者は、スタンフォード大学のリーダーシップ・プログラムの授業を任され、そのリストをヒントに授業を組み立て、反響を呼ぶ。

 その内容は、

 「ルールや常識にとらわれるな。迂回して脇道を通ることで、目的地にたどり着けることもある」。
 「人に許可されるのを待つのではなく、自分で自分に許可を与えよ」
 「失敗を恐れるな。失敗できるほどのリスクをとり、何度でも失敗せよ」
 「絶えず周囲を見渡し、チャンスを逃すな」
 「期待される以上の仕事をせよ」
 「感謝の気持ちを忘れるな」
 
 といったところであるが、その結論にたどり着くまでの事例の数々が、とにかく読み応えがある。

 たとえば冒頭で、著者はスタンフォードの学生に、ある課題を出す。 

いま、手元に五ドルあります。二時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか?

 これは起業家精神を発揮してもらうべく出された課題だが、そこで学生たちは、驚くべき成果を出す。

 何と、「元手の5ドルに全く手をつけずに大金を稼いだ」のである。

 ここで引き出される結論は、「常識を疑い、問題を大きな観点でとらえよ」というものだ。
 常識的に考えれば、とりあえず渡された5ドルを増やすことだけに意識を集中させてしまう。しかしここで、「5ドルを使う」という常識をまず疑い、「人はいったい何に価値を見出すのか」という広い視野で物事を考え、アイデアを無限にふくらませていく。
 そうすることで、学生たちは当初の予想をはるかに上回る利益をたたき出したのである。

 こう聞くと、読者は「そりゃ、スタンフォードに通うような優秀な学生だからでしょ」と斜に構えてしまうかもしれない。
 しかし、そういう「思い込み」こそが人生の可能性を狭めてしまっている証拠。
 本書を読めば、たとえ一流大学に通っていなくても、5ドルを何万ドルにも増やせる自信が湧いてくるに違いない。

 そして、20歳をとうに過ぎ「自分の人生、いったい何なのだろう」と意気消沈している人にも本書はお薦め。特に、スティーブ・ジョブズの意外な失敗、暗黒時代は必読だ。
 これは、ジョブズ曰く「レンガで頭をぶん殴られるような出来事」だったとのことだが、ぜひ世界的起業家という前提を取り払って読んでみてほしい。
 どんな人でも人生山あり谷ありであることがわかり、と同時に、「自分は果たして、谷を経験するほどリスクをとってきたか?失敗を恐れず挑戦をしてきたか?」とハッとさせられることだろう。

 今、社会に出ようとしている若者たちに向けた内容になっているが、10歳でも40歳でも80歳でも、生きているかぎりは十分に価値のある本。
 誰かにオールを握られるのではなく、自分の力で自分の人生を豊かにしたいと少しでも思っているならば、手放せない一冊となるだろう。

詳細情報・ご購入はこちら↓
関連記事
プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

最新記事
シンプルアーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
QRコード
QR

書評・レビュー ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
カテゴリ
広告
記事更新情報
リンク
広告