「思考の整理学」

人間らしく生きて行くことは、人間にしかできない、という点で、すぐれて創造的、独創的である。コンピューターがあらわれて、これからの人間はどう変化して行くであろうか。それを洞察するのは人間でなくてはできない。(本文引用)
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 書店で、常に途絶えることなく平積みになっている本がある。
 他の書籍は移り変わっても、この本だけは常にベストセラーの位置を保っている。

 それは、「思考の整理学」である。

 著者はお茶の水女子大学教授(当時)外山滋比古氏。

 「論文に何を書いたらよいかわからない」とすがってくる学生たちを日々見つめつづけている経験から、人間が「グライダー人間」に成り下がっていると嘆く。


 大空を優雅に滑空するが、エンジンがなく、自力で飛び上がることはできないグライダー。

 外山氏はそれに例えて、自分で考えることのできない人間を「グライダー人間」と呼ぶ。
 そして現代の学校教育は、いわゆる知識の詰め込みであり、どんどん優秀なグライダー人間を量産していると断じる。

 そこで氏は、「飛行機人間」・・・つまりエンジンを搭載し、自力で飛ぶことのできる学生を育てようと考える。
 いやいっそのこと、この情報社会のことだ、詰め込んだ知識を駆使してアイデアを自由に出せる「グライダー兼飛行機人間」になれれば最強なのではないか?

 本書では、そんな「グライダー兼飛行機人間」になる術と、人間が人間たる所以を考えるヒントを与えてくれる。

 タイトルにある「思考の整理」などというと、いささか身構えてしまうが、内容は至って簡単だ。
 
 メモのカードを作る、といった学者である著者らしい具体的な手法から、アイデアを寝かせる、とにかく書いてみる、誰かに話してみる、ほめる、忘れる
 ・・・など今日から誰にでも実践できそうなことまで、実にきめ細かく根拠と共に訓練法が書かれている。

 なかには、朝飯前が最も頭がさえているのだから、午後に朝食をとるといった外山氏独自の裏技もあるが(※私にはできません)、どれもこれも「今すぐやってみよう!」と思えるものばかりだ。

 本書を読んだ感想の中には、「効率とスピード重視の現代で、この方法がどこまで受け入れられるか」といった疑問の声もあるようだが、今だからこそ充分に使える方法だと、私は思う。

 ブログやツイッターでアイデアや考えをすぐに書き出せる、誰かに発することができる。
 しかも下書き機能がついているのだから、アイデアを一晩でも二晩でも寝かせることもできる。

 ネットのなかった時代に書かれた本書を、ネット全盛の今だからこそフル活用できるのではないだろうか。
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 「自分で翔べない人間は、コンピューターに仕事を奪われる」(本文引用)と外山氏は述べるが、コンピューターとの共生が不可欠な現代、この「思考の整理学」を片手にマウスとキーボードを操れば、きっとコンピューターに奪われることのない、人間ならではの仕事ができると信じている。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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