「県庁おもてなし課」

「おもてなしマインド」
ーたどり着いた、と思った。
 この言葉にたどり着くために今までのあがきはあったのだと思った。

(本文引用)
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この本を、どのカテゴリーに入れればよいのか、非常に迷った。
 「ダ・ヴィンチ」BOOK OF THE YEAR 2011で、総合ランキング第1位、そして「恋愛小説ランキング」第1位・・・とされてはいるものの・・・

 「これは小説なのか?ノンフィクションなのか?恋愛小説なのか?ビジネス本なのか?」と、私の頭はクラクラした。

 この本は、言ってみれば、
 「最高にファンタジックなノンフィクション」であり、
 「驚くほどリアリティをもったフィクション」であり、
 「仕事に役立つ恋愛小説」であり、
 「ちょっと頬が紅潮してしまうビジネス本」なのである。



とにもかくにも、現実と虚構、それぞれの面白さをたっぷりとすくい上げた極上の「おもてなし」本であった。

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 舞台は高知県。そして主人公は、その県庁観光部に実在する「おもてなし課」の面々だ。

 「観光立県を目指す」とのコンセプトのもとに、県外から来た旅行者をもてなすために組織された「おもてなし課」。

 しかし、何をするにも手続き、手続きで政策は遅々として進まず、その政策自体も空回り。
 そして、「おもてなし課」の職員自身がそのことに気づいていないという体たらくである  

 そんなある日、おもてなし課の電話が鳴った。
 電話の相手は、ひと月前に観光特使を依頼した、県出身の人気作家である。
 作家は言った。

 「具体的にあんたたちがこの一ヶ月で損したことを教えてやるよ」

 そこから、錆びついていた「おもてなし課」の歯車は、一気に回りだす。
 
 さあ、どうなる、「おもてなし課」!?どうなる、高知県!?
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 どうすれば、人々を喜ばせることができる?
 どうすれば、好きな人を泣かせずに生きることができる?
 
 そんな仕事と恋愛を絡ませながら、グイグイ読ませるスピード感あふれる作品だが、途中から、なぜか読むスピードが落ちてしまった。
 なぜなら、ずっとこの本に浸かっていたいような・・・それは、超高級ホテルに泊まって夢か現かわからなくなっている・・・そんな気分になったからだ。

 この作品、実は終盤に近づくにつれて、「なぜこの小説が書かれることになったのか」という、作品の根源に関わる重大な秘密が明かされる仕掛けとなっている。

 そして、気づく。

 「もしかして、一番もてなされてるのって、私・・・?」 
 
 そう、いつの間にか私自身がこの本を訪れた観光客となり、有川浩さんを課長とした「おもてなし課」の方々から至高のおもてなしを受けていたのだ。
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「おもてなしマインド」
―たどり着いた、と思った。


 ストーリーの面白さに加え、巧妙な構成、そしてそこにたどり着くまでの、この小説に関わった人達の熱意と温かさとユーモア。

 まさにこの小説こそ「おもてなしマインド」そのもの!

 おもてなしが、ここまで人を幸せな気持ちにしてくれるとは・・・。
 これから仕事や人間関係に行き詰りそうになったら、都度読み返してしまいそうな・・・いや読み返すべき作品といえるだろう。
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 今年は明るい年にしたい、と願う方も多いのではないだろうか。

 「県庁おもてなし課」-これは、そんな願いが込められた新しい年の幕開けにふさわしい一冊である。

 (・・・というわけで、あけましておめでとうございます。
  今年もよろしくお願い申し上げます。)

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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