日経・経済図書文化賞発表!

 11月3日の日本経済新聞において、第57回日経・経済図書文化賞が発表されている。

 受賞作は以下の3点。

  


  左から、「労働時間の経済分析」は、「効率的に非効率な仕事をする」日本企業の働き方の謎に迫ったものだという。
 日本の平均労働時間が短くなってきているのは、パートタイム労働者が増えたからであり、フルタイム労働者の年間労働時間は変わっていないと切りこむ。
 さらに、週休2日制の普及で、平日の労働時間は増え、睡眠時間は減っているという分析もあるとのこと。

 こういった分析を目にすると、全体を表すデータを見ただけで安心してはいけない、と痛烈に思う。そうなる背景には、何が起こっているのか。そうなった結果、どこに歪みが起きているのか。データの裏に隠された細かな事情に目を配る必要性を、思い知る。

 中央、「日本の住宅市場と家計行動」は、記事を読んでいて最も心惹かれた作品。
 震災で住まいを失った人に二重ローンが課せられている現状から、日本の住宅ローン構造(遡及型ローン)に言及。そうしたローン構造から日本の転居率に触れていく。
 さらに「地震リスクと家計」との関連性を分析しているという点に、息を呑む。
 なかでも、 

世帯年収の低い家計ほど、その後数カ月で防災意識が再び低下し、実際の行動に結びつく割合も低いことなども解明

 との分析は耳が痛い。

 最後、「サービス産業の生産性分析」
 評者・樋口美雄氏によると、「これまで日本のサービス産業の生産性について真正面から切りこんだ書物はほとんどなかった」という。その理由として、需要の影響を受けやすいため企業間での生産性格差が大きく、平均値がとれない(とっても有意義なものにならない)ことが挙げられるらしい。
 そこに挑んだのが、本書の価値なのであろう。著者森川正之氏は、長年にわたり膨大なデータを作成し、そこからサービス産業の生産性引き上げの処方箋を示しているという。

 いずれも、ちょっと気軽に手に取るといった類の本ではないかもしれない。しかし、社会の一生活者として持つべき視点が示されているには違いなく、ポイントだけでも知る必要があるだろう。
 生活のために、人生のために、私もぜひ拝読したいと思う。
 
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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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