「風よ あらしよ」感想。恋愛小説に溺れるように没頭したいあなたに!

 私共の恋はずいぶん呪われました。が、空花ではありませんでした。
(本文引用)
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 時々、ドボドボに溺れるような恋愛小説を、読みたくなることはないだろうか。

 村山由佳著「風よ あらしよ」は、底なし沼のようにはまれる恋愛小説。
 
 「女だから」という殻を破りつづけた女性の、恋に生き、愛に燃え尽きた28年を描いたものだ。

 600頁超の大長編で、持ち歩くのも大変。
 電車で立った状態で読むのは、いささか苦痛を伴うだろう。

 しかしその厚さの分、ダイバーのごとく「恋」にどこまでもはまり込める。

 読書で「身を焼きつくすような恋がしたい」「誰にも、何にもとらわれず、心のままに恋愛に没入したい」と思うなら、きっと満足できるだろう。


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 ■「風よ あらしよ」あらすじ

 主人公・伊藤野枝は、フェミニズム運動の先駆的存在。

 女性の、自由、地位向上を訴えつづけ、平塚らいてう等とともに、雑誌「青踏」で活躍。

 野枝の主義主張・生き方を嘲笑する者もいたが、魅了される者も少なくなかった。

 特に野枝の生きるエネルギーの強さに、惹かれる男性は後を絶たず。

 翻訳家、野枝のファンと称する男、そして無政府主義者として活動した大杉栄・・・野枝は次々恋愛を重ね、7人の子を出産する。

 しかし野枝の人生は、あまりに短かった。

 一貫した主張・信念を激しく訴えてきたがゆえの、理不尽な最期であった。
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 ■「風よ あらしよ」感想

 「恋愛とは、何と勝手気ままに人を狂わすものなのか」
 読みながら、何度も心の中でつぶやき、体が震えた。

 本書の登場人物は、皆「恋愛」で壊れている。ぶっ壊れている。

 身勝手な別離、一夫一妻という固定観念を突き崩す交際、時に刃傷沙汰も勃発。

 誰かと出会い、好きにならずにいられなくなると、人は「まさか私が・・・」という行動を起こす。

 倫理観を投げ打ってでも、全てを失う恐れがあっても、人は「好きになってしまった人」に飛び込んでしまう・・・本書を読み、そんな「恋」の「恐ろしい威力」に改めて圧倒された。

 そう聞くと「恋愛のデメリット」ばかり描かれているように見えるかもしれない。

 しかし読後、心に残るのは「人を愛するっていいな」という、純粋な思い。

 色々すぎる出来事があった末、「出会えてよかった」と思える同志と生きていく展開は、もはや痛快ですらある。

 だから「恋愛小説に溺れたい」という人に、本書はおすすめ。

 恋に身を焦がし、壊れるような思いを抱えて、最終的に何を得るか。

 「恋愛に溺れる」だけでなく、溺れた末に「自分の人生を前進させたい」と思うなら、ぜひ手に取ってみてほしい。 

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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