中山七里音楽ミステリーシリーズ、全読破しました。

「ピアニストである以前に一人の人間です。友人が苦境に陥っている時に何もせずに鍵盤を叩いているだけだったら、僕は、一生自分を許せなくなる」
(「合唱」より引用。)

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 今年、作家生活10周年を迎えた中山七里さん。

 「えっ? まだ10年なの?」と思わずキョトン。
 30~40年ぐらいやっている印象があったので、「10年」という短さにちょっと・・・いや、かなりビックリ。
 
 トリック、どんでん返し、医学・法律・政治経済・芸術まで多岐にわたる知識・・・。
 どれも群を抜いたレベルの高さ&濃密さ。

 作品の数といい面白さといい、「中山七里さんの10年は、普通の人の100年なんじゃないか(相対性理論的な)」と思うほどだ。

 というわけで、このたび、中山七里さんの「音楽ミステリー」をコンプリート。
 「さよならドビュッシー」「おやすみラフマニノフ」「さよならドビュッシー前奏曲」「いつまでもショパン」「どこかでベートーヴェン」「もういちどベートーヴェン」、そして最新刊「合唱」まで夢中で一気に読んでしまった。

コンプリート

  

 

 
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■中山七里「音楽ミステリーシリーズ」あらすじ

 中山七里「音楽ミステリーシリーズ」の主人公は、岬洋介。
 ピアノの腕は超一流で、眉目秀麗頭脳明晰。
 さらに父親はエリート検事という、非の打ち所がない男性だ。
 
 「音楽ミステリーシリーズ」第一巻「さよならドビュッシー」は、岬洋介が音大講師として登場。
 
 教え子の女性二人の家が大火事に。
 二人のうち一人は死亡、もう一人の女性・遥は、全身やけどの重体となるも一命をとりとめる。

 遥は洋介の指導のもと、またピアノが弾けるよう必死にリハビリを続けるが、周囲で次々と不吉な出来事が起きはじめる・・・。

 第二巻「おやすみラフマニノフ」では、洋介が勤める音大で、2億円のチェロが盗難に。
 「いつまでもショパン」では、洋介が海を渡りショパンコンクールに出場。何と世界的テロ組織に巻き込まれる羽目に!? 
 
 「どこかでベートーヴェン」は一転、洋介の高校時代にタイムスリップ。
 豪雨のなか、同級生の死体が発見される事件が発生。
 「もういちどベートーヴェン」では、さらに一転、洋介が司法修習生に。
 最新刊「合唱」では、司法修習の経験とからめ、あの「中山七里作品・名物弁護士」が見参する。

 ちなみに「さよならドビュッシー前奏曲」では、主人公をチェンジ。
 洋介が住むマンションの地主であり、さらに教え子・遥の祖父である「玄太郎」が、名探偵となって活躍する。

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■中山七里「音楽ミステリーシリーズ」感想



 中山七里・音楽ミステリーシリーズの魅力は、回を追うごとに面白さがジャンプアップしていく点。

 トリックの巧妙さ、岬洋介の推理、そして「展開の意外さ度・読めなさ度」が、ぐんぐん上昇。
 
 さらに、どんどん物語がスッキリ読みやすくなり、「ミステリー純度」が高くなるのも嬉しいところ。

 第一巻・第二巻(「さよならドビュッシー」・「おやすみラフマニノフ」)は、もちろん存分に面白いのだが、ややトリックが強引だったり、「真相」が似通っていたりと、若干拙さを感じる(生意気言ってすみません)。

 また「いつまでもショパン」「どこかでベートーヴェン」辺りは、「あのエピソード、必要だった?」と思う場面や、登場人物が過剰に意地悪な場面が多く、やや辟易する感もあった(でも夢中で読んだけど)。

 しかし最新刊に向かうにつれ、それまで鼻についた部分が一掃され、面白さがグーンとアップ。

 「合唱」の「展開・トリック」に至っては、もう圧巻と言おうか脱帽と言おうか、賞賛する言葉が浮かばないほど見事なものだった。
 (さり気なく、当時の社会問題を反映させている点にも注目!)
 
 と言いつつ、実は私が一番気に入ってるのは「さよならドビュッシー前奏曲」。
 岬洋介の大家さん・香月玄太郎が、脳梗塞で車椅子生活となった後、明快な推理で難事件を解決。
 「要介護探偵」と称し、銀行強盗事件の真相まで鮮やかに解き明かす。

 登場人物たちの「何気ない発言」から、真犯人を導き出す過程は、実に見もの。
 何度も「あ! 本当だ! こんなこと言ってる!」と読み返してしまった。
 
 「真犯人、語るに落ちたな」とスカッとするようなミステリーが好きな方、「観察力が鋭い名探偵」という設定が好きな方。
 そんな方に「さよならドビュッシー前奏曲」は本気でおすすめ。

 「音楽ミステリーシリーズのスピンオフだしなぁ~」などと思わず、ぜひシリーズの仲間に入れて、読んでいただきたい。

 ちなみに「合唱」によると、今度「おわかれはモーツァルト(仮題)」が出るとか。

 「おわかれ」なんて書かれると非常に寂しいが、今はただ次回を楽しみに待ちたい。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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