「患者になった名医たちの選択」感想。生きるエネルギーが燃えるようにわいてくる人生バイブル。

 「できることしかできない医師になったが、平凡な僕に、個性と武器が加わった」
(本文引用)
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 「ああ、私は私に生まれてきて良かった」
 「自分の人生、生き抜いた」
 「人生、楽しかったな」

 死ぬ間際に、そう思える生き方をしたい。

 本書は、そんな生き方のヒントをくれる一冊。
 
 難病に侵され、絶望の淵に立たされた医師たち。
 もはや医師生命は絶たれた・・・と、生きる意味を失いかけた医師たち。

 しかし彼らを待ち受けていたのは、さらに素晴らしい医師人生だった。

 ページをめくるごとに「私にも、私として生まれてきた意味がきっとある」と、力がムクムク。
 本書を読み終えた今、私にはこんな自信がある。


 今後どんな艱難辛苦に遭おうとも、私は言うだろう。

 「私は生きられる」と。 
 そして「生まれてきて良かった」と。 
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■「患者になった名医たちの選択」内容



 本書には18名の医師が登場する。
 全員、「難病と向き合って生きている」医師たち。

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 がん、ALS、網膜色素変性症、白血病、パーキンソン病、B型肝炎、脳出血、性同一性障害、アルコール依存症・・・。
 
 全員、「医師として生きること」に絶望した経験を持っている。

 もう執刀ができない、診察ができない、患者の姿を見られない、体を起こすことすらできない・・・。

 医師として、人間として限界を感じた後、彼らはどうやって現場に復帰したのか。

 そこには、難病を抱えているからこそできる、「医師としての生き方」があった。
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■「患者になった名医たちの選択」感想



 「ああ、自分の人生を精いっぱい生きよう」

 本書を読み、思わずそうつぶやいた。

 人間は、誰もが必ずひとつは「重要な役割」を持っている。
 そしてその役割は、誰にも侵すことができない唯一無二のもの。

 だから人間は皆、1人ひとりがかけがえのない存在。
 人生は1つひとつ、他の誰にも生きられない、かけがえのないもの。
 本書を読み、そんな当たり前のことを強烈に認識した。

 特に印象的なのは、ALSと闘う太田守武氏と、網膜色素変性症を患う福場将太氏だ。
 
 太田氏は40歳でALSを発症。
 右足のかすかな違和感に始まり、数年で、左手の人差し指しか動かせない状態に。
 
 子供もまだ幼く、将来の展望が見えないなか、「死」を願うばかりの日々だった。

 しかし「ALSの自分だからこそ、できることがある」と訪問介護事業所を設立。
 人工呼吸器を装着しながら、訪問介護の発展のため勤しんでいる。

 そして福場氏は、病院実習中に「文字が見えにくいこと」に気づき、網膜色素変性症と診断。
 
 「失明する自分に、医師になる資格はない」と落ち込み、勉強に身に入らなくなり国家試験は不合格。
 
 しかし気持ちを立て直し、2度目の試験で合格。

 目が見えない代わりに傾聴力を武器に、精神科医として活躍する。

 どうだろうか。
 このお二人の活動を知るだけで「誰もが必ず、何か役割を持っている」と思え、生きる情熱がわいてくるのではなかろうか。

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 もちろん、彼らの苦悩を、そんな簡単な言葉ですませられないのはわかっている。
 安易に「励まされました」などと言えないほどの、言葉では表現しきれない苦悶があったことだろう。

 しかし医師として、一個の人間として、「生きる意味があるのだろうか」と悩んで悩んで悩みつづけ、それでもなお患者のために奮闘している彼らの生き方からは、やはり「生きるエネルギー」をもらった思い。
 
 自分の人生は一つしかない。
 そんな一つしかない自分の人生、どう生きるかは「自分自身」にかかっている。
 ならば思いっきり、自分だけの人生を、自分でつかみとっていこう。
 世界で一人しかいない「自分」を活かし、精いっぱい生きよう。

 本書を読んでいると、「生きよう」という気持ちが、心の奥から炎のように燃え上がってくるのだ。

 今後の人生、どんなつらいことが待ち受けているかわからない。
 できれば大過なく人生を送りたいが、今回のコロナ禍のようなことがあると、本当にいつ絶望的な状況に陥るかわからないものだ。

 そんな時、本書の存在を思い出したい。

 絶望を知った自分だからこそ、得られる希望、与えられる光がある。
 どんな状況でも「生まれてきて良かった」と思える日がやってくる。

 本書がこの世にある限り、本書の存在が胸のなかにある限り、きっと私は人生を楽しめる。
 
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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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