「銀花の蔵」あらすじ感想。だから遠田潤子さんは読みたくなかったんだよ!と再確認した一冊。

 「人を責めるのが好きなやつがいた。人がどんな罪を犯したかなんて問題やない。ただ、自分が安心したいから、自分が気持ちよくなりたいから人を責めるんや」
(本文引用)
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 私にとって禁断の「遠田潤子作品」を、手に取ってしまった。
 
 なぜ「禁断」なのかというと、読むと生活が破綻するから。
 遠田作品を1ページでも読んでしまうと、蟻地獄のようにはまり込み、家事も仕事も寝食も忘れてしまう。
 
 そしてこの「銀花の蔵」も・・・ほらやっぱり、没頭して一気に読了。
 おかげで洗濯物を取り込むのが遅くなった。

 ああ、だから遠田潤子作品は読みたくなかったのである。(でも読んで良かった)

 ダークな小説では「圧倒的に日本トップ」といえる、遠田潤子さん。
 最新刊の物語は、醤油蔵の後継ぎとなる女性の半生。


 性格に難がありすぎる人に囲まれ、理不尽に苦しめられた女性は、どうやって幸せをつかむのか。

 主人公の人生が気になって気になって、最後まで目が離せない、離させてくれない握力の強い一冊だ。
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■「銀花の蔵」あらすじ



 銀花は、絵描きの父と、料理上手な母のもと、愛情いっぱいに育てられた。
 
 しかし銀花はこの両親のせいで、さんざん苦しめられている。
 
 実は銀花の母には盗癖がある。
 銀花は、母親が万引き等をするたびに、代わりに謝罪に赴く。
 しかも母親はいつまでも少女気分が抜けず、ふわふわしたまま。
 銀花は、頼りなく、トラブルばかり起こす母親が憎くてたまらない。

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 ある日、銀花一家は引っ越すことに。
 父親が、実家の醤油蔵を継ぐことになったのだ。
 
 だが、絵を描き続けたい父親は仕事に本腰を入れず、蔵の経営は傾くばかり。
 
 ひ弱な母は、必要以上に姑を恐れ、ビクビクふわふわ。
 
 さらに父親の実家には、いじわるな少女までいる始末だった。

 父親の実家で、何とか踏ん張ろうとする銀花だが、ある日、ついに恐れていたことが。

 しばらく落ち着いていた母の盗癖が再発。

 ついには殺人事件に発展することに・・・。
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■「銀花の蔵」感想



 相変わらずの遠田節。
 一難去って一難。
 見事なまでの「不幸の大行進」である。

 母親の盗癖はじめ、父親ののんきすぎる生き方、次々起こる事件・事故、そして不貞・・・。

 今の生活に不満があるという人は、ぜひ遠田潤子の小説を。
 「これよりはいいか・・・」と立ち直れること間違いなしであろう。

 だからといって、本書は「ただの不幸の博覧会」ではない。

 「もうダメだ」という絶望のなかにあってこそ、「見えてくる希望」がある。
 自分の周りに誰もいなくなったからこそ、「本当に自分を思ってくれる人」に気づける。

 自分にとって本当に大切な「幸福のダイヤモンド」は、幸福のなかでは見つけられない。
 不幸の博覧会のなかに、1つポツンと置かれてるからこそ、見つけることができる。

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 「銀花の蔵」は、そんな「絶望の効用」を教えてくれる。
 「今、どうしようもなくつらい」と思った時こそ、自分にとって真に大切なもの、幸福へと導くものを見つけることができる。
 本書はそんなことを伝えてくれるのだ。

 途中、何度も「このままどうなってしまうのだろう」とヒヤヒヤしたが、読後感は意外なほど爽やか。

 家事も仕事も寝食も放り投げて、銀花たちの行く末を気にしていただけに、終盤には我が事のようにホッとした。

 ・・・って、どんだけ「銀花の蔵」にハマりこんでたんだか。

 やっぱり遠田潤子作品は、忙しいとき読むのは危険!

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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