「ロシア紅茶の謎」あらすじ感想。「そんなダイイングメッセージあり!?」でも面白いから仕方がない。

 これは純然たる偶然なのだろうが、その二本のラインは、地上で最も危険なある動物の名前を表わす文字をデザインしていた。
(本文引用)
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 「こんなに凝ったダイイングメッセージ、する人いる?」
 ・・・と思いつつも、「でもミステリーは『面白い』が正義だよね!」と感服。

 実現可能性とか人情とか余韻とか、そういうのは全部押し入れにしまって、「純粋に謎解き・ミステリーを楽しみたい」という人に、本書はおすすめ。

 「動物園の飼育係が遺した、動物だらけのダイイングメッセージとは?」
 「アパート家主だからできてしまった、驚きの符丁とは?」
 「雷の夜だからバレた、犯人の嘘とは?」
 「ロシア紅茶で毒殺。それ、危険すぎるでしょ!」

 外出自粛が解けても、まだ日常には戻れない今日この頃。
 「あ~、頭をスキッと目覚めさせたい!」「脳をビックリさせたい!」と思うなら、きっと満足できる一冊だ。

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■「ロシア紅茶の謎」あらすじ



 本書は6篇から成る、ミステリー短編集。

 犯罪臨床学者・火村英生と、ミステリー作家・有栖川有栖のコンビが、殺人事件の犯人をあぶり出す。
 
 ある日、動物園の飼育係が殺される事件が発生。
 もともとパズル好きだった被害者は、手に不思議なメモを持っていた。

 そのメモに書かれているのは、「鶴 牛 鰐・・・」などの動物ばかり。
 どうやら犯人を示す暗号のようなのだが、皆目見当がつかない。

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 犯人の可能性のある人物は、全部で5人。
 全員、名前に動物の名が隠れているが、暗号に出てくる動物ではない。
 
 火村は、被害者が生前話していた言葉から、ある事実を発見。
 暗号から出てきた、真犯人の名前は・・・?
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■「ロシア紅茶の謎」感想



 あらすじで紹介したのは、第一話「動物園の暗号」。
 6話のなかで、最も「謎解き度・頭の体操度」が高いため、代表して紹介した。
 
 ミステリーはしばしば、読者を置いてきぼりにするものが多いが、この物語は読者も一緒に考えられるもの。
 「ある趣味」を持ってる人なら、スルスル解けるかもしれないので、ぜひ挑戦してみていただきたい。

 さらにラストでは、「犯人の名」を超越した「金の答」も解明。
 
 「さすが有栖川有栖!ミステリーの巨匠は違うわ~」と、ただただ恐れ入った。

 第2話「屋根裏の散歩者」の暗号も見事。
 被害者の日記から犯人を割り出すが、これは「被害者の職業だからできたこと」。

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 思いもよらない視点から、犯人の名が浮かび上がる経緯には全身の毛が粟だった。
 これまた「さっすが巨匠!」である。

 そして表題作「ロシア紅茶の謎」。
 これは暗号ミステリーではなく、犯行の手口を暴くもの。
 
 「本当にこんなことする人がいたら、世界仰天ニュースかアンビリーバボー行きだよ!」とたまげたトリック。
 フィクションとはいえ、「いやいや人間、恨みが深いと何するかわからないねえ・・・」としみじみ。
 
 殺人は「突発的」より「計画的」のほうが罪は重いが、「ロシア紅茶の謎」を読んだら「そりゃそうだ」と、妙なところで納得した。
 しかもここまでやって暴かれたのでは、「犯罪とは何と割に合わないことか」と思うしかない。
 
 人間、どんなに誰かを恨んでも、心の中に留めておくのがよさそうだ。

 とにかく純粋に、ミステリーでスッキリしたいなら、「ロシア紅茶の謎」はおすすめ。

 「暗号」「トリック」、そして「容疑者、語るに落ちる」の「ミステリースッキリ条件」がそろってるので、単純に「あー面白かった!」と思わずニッコリ。

 外出自粛のストレス解消、間違いなしだ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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