五木寛之「大河の一滴」感想。コロナ疲れがスーッと消える魔法の一冊。

 いま、私たちの生活様式自体が画一化されて、そのなかで順応できない人間は認めないという社会ができあがってきています。それが子供たちに反映していじめのような問題が起きている。
(本文引用)
______________________________

 コロナ禍の「疲労感・疲弊感」が、サアッと洗い流される一冊。

 外出自粛のおり、「激しい運動をしているわけではないのに、なぜこんなに疲れるのか」と思う人もいるのでは?

 疲労感の理由は、ピリピリギスギスした緊張感。
 自分なりに精一杯コロナ対策はしてるつもりだが、他の人から「あの人、あんなことして無知・無配慮・無神経」と思われるのではないかと、いつの間にかビクビクしてるのだ。

 実際、私もマスクをしていない人に対して、心の中で「なぜマスクをしないんだろう」などと思ったことがある。


 しかしふと、知り合いのお子さんが小耳症であることを思い出し、ハッ。
 マスクをしていない人を、心の中で責めてしまったことについて猛省した。

 そんな時に手に取ったのが、「大河の一滴」。
 実家にもあったと思うが、「世界一受けたい授業」を観て、改めて購入。

 読みはじめてすぐ、まるで温泉に浸かったように「あ~~・・・・・・」と、コロナ疲れがとれていくのを感じた。

 コロナ禍で精神的に疲弊している人、コロナ対策でピリピリしている人には、本当におすすめの一冊だ。
________________________________

■「大河の一滴」内容



 本書は「究極のマイナス思考」から、「萎える心」に光を射す本。
 
 「人生は絶望と苦しみの連続」「人は皆、泣きながら生まれてきた」「何にも期待しない」・・・。

 そんな思考からスタートし、ならば「どうすれば笑いながら死ねるか」を徹底的に考えていく。

 そこで大切なのは「人間は小さな存在」と自覚すること。

 人は、海へと続く大きな河の一滴にすぎない。
 清濁混ざり合い、受け入れながら海に入り込み、蒸発し、雨水となってまた地に降り注ぐ。
 人間は、大河の一滴として、それを繰り返す小さな存在なのだ。

3329994_s.jpg


 そのように考えれば、人生は「流れに身を任せればよい」と緊張が解けていく。

 ではなぜ生きるうえで、緊張を解いていくことが大事なのか。
 「自分は濁りも汚れもある大河の、たった一滴にすぎない」と思うことが大切なのか。

 近年の事件等を交えて、「大河の一滴」と自覚する重要性を説いていく。
________________________________

■「大河の一滴」感想



 なぜ本書を読むと、コロナ禍の疲れがスーッととれるのか。

 理由は、本書最大のメッセージ。
 「寛容」という言葉にある。

 自分も他者も、ただの「大河の一滴」と思えば寛容になれる。
 寛容になれば、いわゆる自粛警察や「コロナ差別・排除・いじめ」は消えていく。

 終わりの見えないコロナ禍を、少しでも健やかに穏やかに過ごすためには、「自分は所詮大河の一滴=寛容であれ」と自分に言い聞かせるのが大切なのだ。
 
 もちろん、1人ひとりコロナ対策はした方がよい。

 しかしコロナへの敏感度が度を越して、人を傷つけるのはあまりに悲しい。

 自分という人間は、清水だけの1本の河ではない。
 「自分は、多くの人が流れる大河のなかの、たった一滴」と捉え、「他人を自分の基準に当てはめない、押し込めない」ことが、コロナ禍を乗り越えるコツなのだ。

 本書では「不寛容」の弊害として、いじめやホームレス殺害事件などを挙げていく。
 今回の「過度な自粛警察」「コロナいじめ・差別」も、それらの事例と変わらない。
 どんなに正義を笠に着ても、「自分の常識外」というだけで人を排除するという思考回路は、いじめ・ホームレス殺害と同じである。

 本当に皆が健やかにコロナ禍を乗り切るには、「誰かを責め立てる不寛容」ではなく「誰をも受け止める寛容性」が必要なのだ。

3385002_s.jpg


 もし現在、コロナ疲れを感じていたら、本書はおすすめ。
 ちなみに最近、私は寝る前に本書を読み返し、翌朝散歩をするのが日常。
 
 「大河の一滴」のフレーズを脳内で咀嚼しながら、ひっそり咲く花や、動いていく雲を眺めていると、本当に疲れがとれていく。

 よろしかったらお試しを。

詳細情報・ご購入はこちら↓

 
関連記事
プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

最新記事
シンプルアーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
QRコード
QR

書評・レビュー ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
カテゴリ
広告
記事更新情報
リンク
広告