「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」あらすじ感想。コロナ禍でも「生きよう!」と前を向ける一冊。

ママ、あなたが、今、呼吸を止めてしまったら、ぼくが雷に打たれて以来、ずっとずっと、これだけの長い間耐えて来た甲斐がないじゃないか。
(本文引用)
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 今、人生で最大に「死は隣り合わせ」という気分に陥っている。
 理由はもちろん、新型コロナウイルス。
 
 父や祖父母が他界したときでさえ、ここまで死を身近に感じたことはなかった。
 今回のコロナ禍は、「悪化スピードの速さ」から、「明日死ぬかもしれない」という気持ちがゾワリ。

 さらに「万が一死亡した場合、家族が遺体と対面できない」という報道から、「いつ家族と会えなくなるかわからない」という不安にも襲われた。

 そこで読んでみたのが「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」

 結論として「今読んで、本当に良かった」と涙ボロボロ。
 
 一人の人間の死は、他者にどれほどダメージを与えるか。


 「まさか」というような死は、どれほど家族に混乱をもたらすか。

 そしてそのどん底と混乱から、遺された者はいかに「生きるエネルギー」をみなぎらせていくか。

 その経緯を読みながら、「ああ、愛する人を突然喪うとは、何と過酷なことか」と号泣。
 さらに「ああ、人間とは何と力強く、愛に満ちた存在であるか」と嗚咽した。

 本書を読んだら、「明日は我が身」というビクビクしていた日が一変した。

 読んでよかった。
 本当に、読んでよかった。
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■「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」あらすじ



 真澄は母・美加と兄・澄生の3人暮らし。
 両親は離婚している。
 
 美加はその後、息子がいる男性・澄川誠と再婚。
 誠と美加の間に娘も生まれ、一気に6人家族となる。

 裕福な家庭に育った美加は、再婚後もハイセンスな暮らしを維持。
 家を磨き上げ、手作りお菓子を振る舞い、澄川家は絵に描いたような幸せ家族に。

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 一点の曇りもない澄川家に、ある日、思いもよらぬ悲劇が起こる。
 
 家族の中心、澄生が落雷で死亡。

 愛息を喪った美加は生きる気力を失い、アルコール依存症に陥る。

 母親の愛が消え、どんどん瓦解していく澄川家。

 遺された者たちは、「澄生の死」と「母の崩壊」から再起できるのか。
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■「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」感想



 「どんなにつらいことがあっても、人は結局、死ぬまで生きなければならない」
 本書を読むと、心底そう思える。
 「生きねば」、と。

 かけがえのない人の死に触れ、絶望と再生を描く小説は数多ある。

 しかし本書ほど、「生きるしかない、生きてやる」と思えた物語は初めて。

 とにかくこの本は、「絶望するエネルギー量」も「這い上がるエネルギー量」も半端ではない。

 「もうダメだ」という地点の先の先まで、家族全員が落ち込み、そこから「最初の一歩」を決意。

 その描写のリアルさと凄絶さに、「死ぬことの悲しさ」「生きることのつらさ」、そして「とりあえず死ぬまで生きてみることの素晴らしさ」を感じ、心がビリビリ震えた。

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 だからコロナ禍の今、読んで本当に良かった。

 自分も、家族も、いつどうなるかわからない。
 コロナに倒れるかもしれないし、あるいは経済的に窮地に陥る可能性だってある。
 未曽有の事態に「もうダメだの先の先まで落ち込む」ことも、あるかもしれない。

 でも本書を読んだら、何だろう、なにか「覚悟」のようなものができた気がする。
 
 あまりに単純なことだが、とにかく「生きるしかない」。
 そして「生きるしかない」という気持ち一つ携えていれば、越えられない試練はない。

 人間は、自分が思っているよりも案外強い。

 本書を読んだら、そんな覚悟と希望、そして生きるエネルギーが、身体がこそばゆくなるほどわいてきたのだ。

 「とりあえず、死ぬまで生きていよう。身体朽ち果てるまで、人生を何とかして楽しもう。楽しんでやる!」
 読了後、毎日散歩しながら、こんなことをつぶやいている。

 本書のおかげで、コロナ禍でも一歩一歩、私は上を向いて歩いている。
 明日も歩いていけそうな気が、たまらなくしている。

 ああ本当に本当に、読んでよかった。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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