カミュ「ペスト」あらすじ感想。新型コロナまん延防止に医学書よりも効く一冊。

 りっぱな人間、つまりほとんど誰にも病毒を感染させない人間とは、できるだけ気をゆるめない人間のことだ。
(本文引用)
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 宮藤官九郎さんが、新型コロナウイルス感染を表明した。

 宮藤さん曰く「まさか自分が・・・と過信していた」とのこと。

 この言葉を聞き、「そうだろうなぁ・・・」と頷いた人、多いのではないだろうか。
 
 私自身、志村けんさんの訃報を聞いても、まだコロナを「他人事」と思っていた。
 持病のない若年層の感染や重症化を聞いても、まだ自分事とは思えなかった。
 
 万が一、何らかの症状が出ても、「まさか」「違うだろう」「そんなはずは」と自問自答。
 どうしても外せない仕事をしていたら、「コロナのはずない」と自分をごまかし、出勤してしまったかもしれない。

 
 これだけ毎日、感染拡大が報じられていても、まだ“「私は大丈夫」と思っている自分”がいたのだ。

 しかし「ペスト」を読んだら、認識が一変した。

 新型コロナウイルスは全く他人事ではない。
 
 いや、それ以前に、そもそも他人事と思ってはいけない。
 他人事と思っている間は、確実に新型コロナウイルスは猛威を振るっていく。

 まずは「新型コロナウイルス感染は、いつ自分に起きてもおかしくない」と当事者意識をもつのが重要なのだ。

 現在、何らかのイベントや旅行、パーティー等を予定している人は、参加する前に、ぜひ本書を読んでみてほしい。
 
 そして読んだ後、もう一度自分に問いかけてみてほしい。

 「それでもあなたは参加しますか?」
 「それでもあなたはまだ、『自分はコロナにかからない』と言えますか?」 

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■「ペスト」あらすじ



 舞台は1940年代のアルジェリア。
 
 ある日突然、ネズミの死骸がチラホラ見えはじめる。

 ネズミの死骸は日に日に増え、町に異様な空気が漂うように。

 そしてついに、変化は人間に及んでいく。

 リンパに腫れものができ、焼けつくような痛みを発症。
 体には不気味な斑点が拡がり、周囲が手をこまぬいている間に死に至る。

 そしてその病は、ただならぬ伝染力をもっていた。

 

この四日間に、熱病は四段の驚異的な躍進を示した-死亡十六名、二十四名、二十八名、そして三十二名。

 

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 ただならぬ状況を受け、知事はついに電文を出す。

 

「ペストチクタルコトヲセンゲンシ シヲヘイサセヨ」



 あの忌まわしき病「ペスト」との、本当の闘いが始まった。
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■「ペスト」感想



 小説を読み、全身鳥肌が立ち、ガタガタと震えが止まらなかった。

 なぜなら、現在の状況とおそろしいほど似てるから。
 まるでカミュが記者として、新型コロナのルポルタージュを書いたようだ。

 濃厚接触を避け、交通機関の利用に迷い、宿泊業が打撃を受け、食料難に陥ったためレストランで食べるようになり、その後、外食客は激減。
 医療機関の病床は不足し、医療も崩壊。
  
 それ以前に、「これはペストと発表して良いのか否か」と迷い、対応が後手後手に。

 新型コロナウイルス感染拡大状況と、ゾッとするほど酷似してるのだ。

 さらに最も「似ている」と慄いたのが、「人々の危機意識の低さ」。
 
 毎日、死者数が増えていても、人々はなかなか当事者意識を持てない。
 感染拡大防止より、つい自分の欲を優先し、外出や宴を楽しむ日々。
 「自分もペストにかかるかも」と思うまで、相当な時間を要している。
 
 そんな「感染症出現時の危機意識の低さ、当事者意識の無さ」まで、今回の事態とそっくりなのだ。

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 だから新型コロナウイルスまん延防止には、どんな医学書よりも「ペスト」は効く。
 
 読めば嫌でも、「自分はすでに感染している」ぐらいの当事者意識を持つことができ、行動が明らかに変わってくる。
 
 そしてその「行動の変化」が、後の大きな喜びにきっとつながるはずだ。

 まだまだ「自分は大丈夫」と思っている人は、多いことだろう。
 なかには、家族や友人がイベント・飲み会に連れ出そうとして困ってる、という人もいるだろう。

 もしもまだ、自分が「当事者意識を持てないでいる」と感じたら、「ペスト」は必読。
 さらにもし、知人が当事者意識を持っていないようなら「ペスト」を薦めてみよう。(「話題の本だよ~」などと、あくまで軽い雰囲気で・・・)

 読み終える頃にはきっと、新型コロナ終息に寄与する人間に変わっている。
 その瞬間、コロナに振り回される世の中の、何かが変わる。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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