恩田陸「ドミノin上海」あらすじ感想。「ドミノ」がパワーアップして帰ってきた!そしてまた“あのミス”を連発。

 倒れる。
 これって、倒れてるよな?
 俺も一緒に倒れている。

(本文引用)
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 あのエンタメ小説の大傑作「ドミノ」が、パワーアップして帰ってきた!
 
 舞台は東京駅から、人・動物・食材うずまく上海へ。
 
 スケールが圧倒的に広くなってるにも関わらず、登場人物の「ドジさ加減」がそのままだから困っちゃう。
 
 学習しない人たちが、広い世界で、またまたおんなじミスを連発。

 結果、もっと「被害」が大きくなってしまうのだ。

 しかも「ドミノin上海」では、パンダとイグアナも参戦。

 森羅万象まじわる運命ゲームに、寝食忘れて読みふけった。

 いや、恩田陸さん、最高だわ。

 

 
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■「ドミノin上海」あらすじ



 舞台は中国の大都会・上海。

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 有名映画監督フィリップは、ひとり嘆き悲しんでいた。
 溺愛するペット・イグアナのダリオが、手違いで調理されてしまったのだ。

 一方、時を同じくしてお困り中の集団が。
 
 それは石の印章を、持ち込もうとした組織。
 待てど暮らせど目的物が届かない。
 
 調べたところ、印章を「いつもと違う場所」に入れてしまったようなのだが・・・?

 脱走を試みるパンダ、「ドミノ」で散々な目に遭ったにもかかわらず、またやらかしてしまう女性たち・・・。
 
 小さなつまずき、うっかり、怠慢が、国境を越えて歯車を狂わせていく。

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■「ドミノin上海」感想



 「ドミノ」よりさらに、エンタメ色炸裂。

 特に「笑わせにかかってる」気合いムンムン。
 読みながら何度、ブハッと吹き出したことか。

 「ドミノin上海」を電車で読もうとしている人は、何卒ご注意を。
 マスクをするなどの自衛策か、ラグビー稲垣選手並みの「笑わない覚悟」が必要だ。

 なかでも笑ったのが、問題児パンダの脱走劇。
 飼育員の動きをつぶさに見ながら、着々と檻を出て、脱出成功。
 その後、「パンダならでは」の方法で移動するのだが、想像するだけでお腹が痛くなる可笑しさ。

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 恩田作品は結構読んできたつもりだが、「恩田陸さんって、こんなに面白い人なの!?」と認識を新たにした。

 そして「ドミノ」ファンへのサービス精神も満載。

 「ドミノ」で事の発端となったのは、紙袋。
 「ドミノ」を読んだ人なら誰でも、「有名店の紙袋はそのまま持たないようにしよう」「紙袋に、自前のショッピングバッグを重ねよう」など「取り違え防止法」を考えたはずだ。

 読者だってそれぐらい考えたのに、当の登場人物は懲りない様子。

 思わず「まーたやっちゃってるよー」と突っ込みたくなるが、そこがまた「恩田マジック」の妙技。
 
 同じ失敗を繰り返すことで、「出たー!」「来るぞ来るぞ」のワクワク感が最高潮に。
 読者は「志村―!後ろ、後ろ!」と、ドリフのコントを見ながら叫ぶような感覚を味わうことができるのだ。
 (あるいは「ひょうきん族」のタケちゃんマンで、伊丹幸雄がうっかり「掘っ立て小屋が・・・」などと言ってしまい、「ホタテマンが出る!」と焦る感覚ともいえる。)

 「ドミノ」や「ドミノin上海」を読んでいると、「読書はここまでエンタテインメントになれるのか」と、ただただ脱帽。
 すでに第三弾が楽しみで仕方がない。

 ぜひまた、女性陣には紙袋で失敗していただきたい。 
 懲りない面々の懲りない行動を見ては、「志村―! 後ろ後ろ!」「ホタテマンが出るー!」の高揚感を再度味わうのが楽しみだ。
 (ちなみに私はといえば、彼女たちを他山の石として、自前の袋をかぶせるよう再度決意した所存である。)

詳細情報・ご購入はこちら↓


シリーズ第一作「ドミノ」もぜひ!

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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