木内昇「占(うら)」あらすじ感想。格付け・セクハラ・マウンティング・・・女の悩みを最速・確実にズバッと解決!

 私はね、ご相談にお見えになる方には常々、不幸上手にならないように、と申し上げているんですよ
(本文引用)
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 女性の皆さま、こんな悩みをお持ちではないだろうか。

 「ママ友の子が優秀。旦那さんも高収入でうらやましい」
 「女友達のなかで、私だけ子どもがいなくて辛い」
 「好きな人が冷たい。もっと美人に生まれていたら・・・」
 「女ってだけで、仕事で差別。もうイヤ!」

 ご心配なく。
 本書を読めば、悩みはスウッと霧のように消えていく。

 だからと言って本書は、「子どもの頭が良くなる方法」や「誰もが振り向く美人になる方法」云々を、教えてくれるわけではない。
 
 「なーんだ」と思うかもしれないが、とにかく騙されたと思って読んでみてほしい。

 「子どもを優秀にする方法」や「美人になる方法」よりも、確実・最速に「人生を上向きにさせる方法」を会得することができる。

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■「占(うら)」あらすじ



 本書は7編から成る短編集。

 舞台は大正時代、主人公はいずれも20代~30代の女性。
 恋、仕事、家庭に悩み、占い師や人生相談にすがりつく。
 
 翻訳家として活躍しながら、男とズルズル半同棲に。しかし男の心は妹第一。私の存在って何?
 夫も姑も子どもも問題なし。私の人生順風満帆。でもママ友の子がエリート校に合格してモヤモヤ。
 能力を活かして専門職に。でも男性から「可愛くない」と言われつづけ・・・。
 イケメン男性が、不細工な自分にアプローチ? でも彼には美人の婚約者が・・・。

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 なかには、ひょんなことから占い師となり、見てはいけないものが見えてしまう女性も。

 藁をもつかむ思いで、占い・予言を求める女たち。
 彼女たちが気づいた、最高の人生の過ごし方とは?
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■「占(うら)」感想



 「占(うら)」は「女性ならではの悩み」に、ジャストミートに効く本だ。

 なぜ女性の悩みに効くのか。

 理由は「自分が下に見られている」という不安・恐怖から、解放してくれるからだ。

 どこにでも一定数、女性を見下す男がいる。
 どこにでも一定数、女性を見下す女がいる。

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 女性の悩み・モヤモヤの発生源は、たいてい「他人より下に見られる」こと。
 「占(うら)」は、そんな女性の心理をたくみに掬いあげ、「比べなくてよい人生」へとグイグイ引っ張っていく。

 だから確実・最速に「女の悩み」をピューッと吹き飛ばしてくれるのだ。

 特に爽快なのが、第五話「宵町祠の喰い師」。

 綾子は女学校卒業後、薬剤師として製薬会社に勤めていた。
 しかし綾子は優秀すぎて、男性社員から「かわいくない」と思われている。
 
 「できない男性社員」をフォローするため、きちんと仕事をしようものなら大変。
 「嫁のもらい手がないぞ」などと言われてしまう。

 そんなとき、綾子の父が急逝。
 大工の棟梁だった父の後を継ぎ、職人をまとめる仕事をするが、一人どうしようもない問題児が。
 
 仕事でミスを連発し、指摘されてもどこ吹く風。
 自分のミスを他人になすりつける、口達者に言い訳をする、挙げ句「お客さんが細かい」などと言い出す始末。
 
 しかし綾子の父は「どんな職人もやめさせない」という、理念を持った人。
 綾子は、問題のある職人について日々悩み、「喰い師」という人物にアドバイスを求めるが・・・?

 有能なのに、女というだけで歯噛みしている人は今でも多いことだろう。
 また管理職として、男性社員への対応に苦慮する女性もいるであろう。
 男性社員のなかには、「女性」というだけで、心の隅であなたを見下してる人もいるだろう。

 そんな悩みを抱えてる人は、ぜひ「宵町祠の喰い師」を読んでいただきたい。
 女性だからといって、下に出る必要などない。
 自分の本当の心と向き合い、自信をもって堂々と、己の道を歩めるようになるだろう。

 一方、なかには「見下してしまったがため」に、悩みを呼びこむ物語も。

 第四話「深山町の双六堂」は、「女性の格付け」がテーマ。

 政子は夫・姑・子どもに恵まれ、何の悩みもなく暮らす主婦。

 しかし近所の子どもが、エリート中学に合格。
 
 そこから政子の「心の歯車」が狂いはじめ、近隣の家を格付けすることに。

 資産、夫婦仲、子どもの出来・・・あらゆる点について甲乙丙で評価し、自分の位置を確認する。

 自分を基準に甲乙丙丁をつけ、「やはりわが家は安泰だわ」と、ひとまず安心する政子。

 しかしそれを見た近所の主婦が、こうつぶやく。 

 「それじゃあ、この丙丁がついたお宅は、よほど大変なのね」


 実は政子の家庭では、彼女の知らない大問題が起きていた・・・。

 こちらの話は、「見下されること」を恐れるあまり、「見下した」ために不幸を呼んでしまった話。
 
 やはり女の悩み・トラブルは、「見下すこと・見下されること」から発生してしまうのだなぁ・・・と再認識した。

 本書を読むと、自分の中にある「見下されることへの怯え」に気づき愕然とする。
 
 さらに本書を読むと、「そう思いこんでるのは本人だけ。一番自分を見下してるのは自分自身」ということにもハタと気づく。

 そうとわかれば、あとは解決にまっしぐら。
 
 「私を一番悩ませ、私を一番貶め、私を一番バカにしてるのは・・・私だったんだ」

 そんな「私に巣食う卑下の心」さえ排除すれば、悩みは嘘のように雲散霧消する。

 「誰も自分を見下してなんかいない。あとは私が、私自身を見下さないだけ!」

 そう思えた瞬間から、人生は間違いなく好転するだろう。

 格付け・セクハラ・マウンティング・・・「女ならではの悩み・モヤモヤ」にお悩みなら、ぜひご一読を。
 読んで決して、損はない。
 
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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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