このミス大賞「紙鑑定士の事件ファイル」あらすじ感想。模型が殺人を予告!?続編希望の超マニアックミステリー

 「何でも解決してくれる神探偵さんがいるって聞きましたけど」
 「ちょっと違いますね」と、私は言った。「うちは紙鑑定です」

(本文引用)
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 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
 
 読みながら「ドラマ化・シリーズ化してほしい!」と切に思った。

 何しろ小さなジオラマ(マニアは“ディオラマ”と言うらしい)が、大事件を語ってしまうのだ。

 シリーズ化されれば、新刊が出るたびに「さ~て今回、どんなジオラマが、どんな事件とつながるのかな?」とワクワク。
 さらにドラマ化されれば、ワクワク度倍増。
 
 どんな小さな紙片・素材からでも、事件は解明してしまうプロセスは、ビジュアルで見れば興奮間違いなしだ。

 
 だから「紙鑑定士の事件ファイル」は、シリーズ化・ドラマ化希望。
 「一作だけ」「文字情報だけ」というのでは、実にもったいない逸品だ。
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■「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」あらすじ



 渡部は紙鑑定士。
 どんな紙でも見分けられ、あらゆる書物について「使った紙の明細」「印刷部数」「納品数量」などをはじき出すことができる。

 そんな渡部のもとに、一人の女性が相談に来る。
 彼女は渡部を「何でも解決する神探偵」と勘違いし、彼氏の浮気調査を依頼する。

 ところがこの依頼、あながち的外れでもなかった。
 女性が「彼氏の素行が怪しい」と思ったきっかけは、彼氏作のジオラマ。

 渡部はそのジオラマ写真から、紙関係の知人に調査を依頼。
 ジオラマの素材・出来栄えから、真相を見事究明する。

 だがホッとしたのもつかの間。

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 渡部はさらなる依頼を受けることに。

 ある女性が、行方不明の妹を捜してほしいと相談。
 ヒントはやはり、ジオラマにあるというのだが・・・?
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■「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」感想



 終盤が駆け足気味なのが、ちょっと惜しい。
 しかし「唯一無二のアイデアと着眼点」に圧倒され、読後感は非常に満足。

 小さな紙片やミニチュア模型の部品から、国家を巻き込む大事件を解き明かすというコントラストに、ドキドキが止まらないまま読了した。

 謎の人物が送りつけるジオラマが、実は大量殺人事件を示唆。
 「どこで、何があったのか」を、ジオラマから読み取る「細かすぎる推理」には、ただただ脱帽。
 
 箱庭の板材、船の模型に施されたロープ・・・どんな物からでも着々と「犯人像と動機」をわりだしていくプロセスは、やはり「面白い」と言わざるを得ない。

 また主人公が、告発文が書かれた場所を特定する過程も読みごたえあり。
 
 よく「爆発物が包まれた新聞紙から犯人の居住地を特定」といったミステリーはあるが、純粋に「紙の素材」から特定するというのは、ありそうでなかった展開。

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 紙の素材をわりだし、そこから製紙企業をあたって「紙の卸先」を探り、告発文が書かれた場所をキャッチ。

 どれも同じように見える「紙」が、実は人間の「顔」や「足跡」、「指紋」レベルで異なるという事実に心底驚いた。

 「このミス」大賞受賞作「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」。
 ぜひシリーズ化を。

 「紙1枚から何が見えるの?」
 「ジオラマの葉っぱ1枚、ロープ1本から、どんなことがわかっちゃうの?」

 知られざる「紙・材料・模型」の世界を、もっと知りたい、見てみたい。

 実際の模型を使って、謎解きをする場面を見たいので、ドラマ化もぜひお願いしたい。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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