「むらさきのスカートの女」感想。「芥川賞なのにめっぽう面白い!」と評判の理由は?主人公の思惑に戦慄。

 残念ながら「黄色いカーディガンの女」は、「むらさきのスカートの女」と違って、その存在を知られてはいない。
(本文引用)
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 2019年、最も話題をさらった本。

 話題となった理由は「芥川賞受賞作なのに、めっぽう面白い」から。
 
 芥川賞受賞作って、「意味がよくわからない」「高尚すぎてついていけない」「言っちゃ悪いけど、つまらない」・・・と思うことが多いですよね。

 でも「むらさきのスカートの女」は全然違う!

 芥川賞受賞作なのに、本当に素直に純粋に「えっ?えっ?何これ、面白い!」と拍手したくなる小説なんです。


 もう「むらさきのスカートの女」は、直木賞と芥川賞、ダブル受賞でも良かったんじゃないかなぁ。
 
 2019年、最も話題をさらった小説「むらさきのスカートの女」。

 芥川賞受賞作なのに、素直に「ナニコレ面白い!」と身悶えしちゃう異色作とは、いったいどんな小説なのか。
 
 あらすじと感想を書いていきます!
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■「むらさきのスカートの女」あらすじ



 主人公は、近所に住む「むらさきのスカートの女」が気になっている。

 公園で、いつも同じベンチに座り、仕事はほとんどしていない様子。

 いつしか子どもたちも「むらさきのスカートの女」に興味を示し、時に一緒に遊んでいる。

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 主人公は、「むらさきのスカートの女」と友だちになろうと決意。
 
 それとなく就職情報誌を置き、むらさきのスカートの女の就職活動をフォロー。

 むらさきのスカートの女は、ホテルの清掃係となるが、徐々にトラブルが発覚して・・・?
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■「むらさきのスカートの女」感想



 「むらさきのスカートの女」はなぜ「めっぽう面白い」のか。

 その理由は、ゾクゾクするような背徳感です。

 本書は、まず「人間の覗き見願望」を刺激します。

 そもそもこの物語、主人公の「善意にかこつけた覗き見感」がすごい。

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 公園にいつもいるというだけで、「むらさきのスカートの女」の就職を操作しようとしたり、住居をつきとめたり・・・と、「お友達になりたいわ~」なんて言いつつ、「本当はそんなこと思ってないでしょ」と突っ込みたくなる臭気がプンプン。

 そんな主人公の行動を「いやらしいわ~」と怪訝な顔で読んでるうちに、気がつけば自分も便乗。

 テンポのよいユーモアあふれる文章に、思わず「なら私も、むらさきのスカートの女の行く末、見させてもらおうかな」と主人公に同調してしまいます。

 本当に真っ当な人間なら、主人公の行動に対し、「そんなことするのやめなさいよ!」と制止するはず。
 あるいは「興味を示したら、主人公の思うツボ。ここは我関せずで・・・」と無視するのが得策です。

 でも文章の面白さ故か、どうにもこうにも「むらさきのスカートの女見張り」がやめられない。

 頭の中の天使が「そんな下卑たこと、やめなさいよ」と叫んでるのに、「待って! もうちょっとだけ覗かせて!」と物語の世界に底なし沼のごとく、はまり込んでしまうんです。

 このゾクゾクする背徳感こそが、「むらさきのスカートの女」を読む醍醐味。
 
 さらにラストでは、その「背徳感・いけない感」が一気に倍増。

 主人公の「本当の思惑」に気づいた瞬間、「自分の心に巣食う、思いもよらぬ厭らしさ」を自覚。

 思わず主人公を「あなたと一緒にしないで!」と突き放したくなりますが、「最後まで読んだ」というだけで、同じ穴の狢と気づき愕然。

 「むらさきのスカートの女」を「いやはやコレは面白い!」と感じるのは、「自分はこれほどまでにイヤな人間だったのか」と気づいてしまうからなんです。

 2019年も間もなく終わり。
 今年最後の読書に、「むらさきのスカートの女」を手に取ってみてはいかがでしょうか。

 ページをめくるごとに、たまりにたまった「心の毒気」を認識し、ショックを受けるかも。

 年末の大掃除に、「むらさきのスカートの女」で心のデトックスもしちゃいましょう。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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