「僕はいかにして指揮者になったのか」感想。佐渡裕が“愛される理由”がわかる紆余曲折の自伝エッセイ!

 欲しい音のためなら、僕は素っ裸になってもいいとさえ思っている。
(本文引用)
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 ある事情により、急きょ佐渡裕さんのご著書を拝読。

 佐渡裕さんと聞くと、私はまず「名指揮者」である以上に、「愛される指揮者」という言葉が浮かびます。

 クラシックという、半ば近寄りがたい高尚な世界を、身近なものにグッと近づけてくれる・・・。
 「佐渡裕」という存在を見ているだけで、純粋に「音楽って楽しい!」という気持ちがわきあがり、心が弾みます。

 
 ではなぜ佐渡裕さんは、“愛される指揮者”でありつづけるのか。
 クラシック好きの人も、そうでない人も、「佐渡裕」には魅了されるのか。

 「僕はいかにして指揮者になったのか」(通称:「僕いか」)を読めば納得。

 「フルート奏者から指揮者へ」、「たった一言で破門の憂き目に」、「履歴書が危うくゴミ箱行き!?」
 世界的指揮者・佐渡裕の、山あり谷ありの軌跡から、「愛される理由」が見えてきますよ。
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■「僕はいかにして指揮者になったのか」内容



 本書は、指揮者・佐渡裕の幼少期から34歳までの軌跡。

 音楽好きの両親のもと、2歳からピアノを習い、クラシック漬けの日々。
 6年生からはフルートを習うようになる。

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 ある日、小学校の担任教諭が、児童たちに指揮をとらせることに。

 それまで、家でレコードを聴きながら一人で指揮をしていた裕少年。
 しかしその授業で、“聴衆”の前で指揮ができる喜びに開眼。

 小学校の卒業文集の最後の言葉に、僕は「オペラ歌手になって世界の歌劇場で歌うか、ベルリン・フィルの指揮者になる」と書いた。
 こうして、僕にとっては、そのときどきで人生で広げてくれたクラシックこそが、自分自身を表現する最高の方法となった。


 少年・佐渡裕が、そこからいかにして世界的指揮者になったのか。

 そして指揮者になってから、佐渡裕が心がけていることは何か。
 
 佐渡裕の「指揮者への道筋」と「指揮者としての矜持」、そして「愛される理由」がここにある。
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■「僕はいかにして指揮者になったのか」感想



 本書を読んでわかること。
 
 それは「愛される人は、愛される以上に、他者を愛している」ということです。

 佐渡裕さんは本書のなかで、チョコチョコと「指揮者としての矜持」「指揮者としての理想像」、そして「音楽の楽しみ方」を語っています。
 それらは全て、聴衆・演奏者への深い愛情がうかがえるもの。
 

欲しい音のためなら、僕は素っ裸になってもいいとさえ思っている。


 

知識よりも、演奏する技術よりも、まずは音楽を好きになること、作曲家の思いを理解しようとすること、それを感じようとすることが“凄い瞬間”を味わう近道となるし、どれだけ生活にプラスになるかわからない。


 生の演奏会である以上、失敗を恐れる気持ちもわかる。しかし、僕は、たとえ失敗したとしても、一発の音に心を込めて演奏してくれる、また込められる演奏家が、本物の音楽家だと思うし、指揮者もまた、一つの振りに心を込めてこそ、本物の指揮者なのだと思う。


 なかでも印象的なのは、次の言葉。

 僕は僕のやり方で指揮者をしていくけれども、ローレックスの時計のように、いつまでも愛される指揮者でいたい。


 佐渡さん曰く、「指揮者は時計のような存在」とのこと。

 それも長年使いつづけて、愛着のある時計。
 少し狂いが出はじめてるのに、手放せない時計。

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 曲の歴史、オーケストラの歴史、奏でる人々の胸に去来する喜怒哀楽の思い出・・・。

 何十年も愛用する腕時計や、家の主のように飾られ続ける振り子時計には、そんな歴史・感情が入り込んでいる。
 佐渡裕さんは、そんな時計のような指揮者でいたいと語ります。

 本書のなかで、佐渡さんの師匠は「ゆうちゃんには才能がある」と語っていますが、もしかするとそれは音楽の技術以上に、「人を愛する才能」なのではないでしょうか。

 周囲の人や聴衆に対し、彼らが生きてきた歴史まで含め、まるごと愛する。
 
 その愛情を棒に込めて、欲しい音のためには裸になってもいいという気持ちで、全身全霊で振りつづける。

 「そりゃ、佐渡裕さんは愛されるはずだよ!」と納得せざるを得ません。

 本書を読む人は、音楽好き・クラシック好きの人が大半でしょう。
 でも「音楽には興味がない」という人も、読む価値が充分ある一冊。

 どんな世界でも、成功するには「人から愛される」のが不可欠。
 
 「僕はいかにして指揮者になったのか」を読めば、世界的に通用する「愛されメソッド」をつかめますよ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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