窪美澄「やめるときも、すこやかなるときも」感想。2020年ドラマ化!録画してでも観たい号泣恋愛小説。

 「・・・・・・あの人だけを休ませる椅子を作りたかった。あの人がそこに座って、少し休んで、また立ち上がるための」
(本文引用)
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 2020年1月にドラマ化。
 恋愛ドラマで、近年稀に見るヒットになるんじゃないかなぁ。

 えっ?深夜に放送するの?
 もったいない・・・月9でやれば「月9の威信」を取り返せるかもしれないのに。

 ドラマ「やめるときも、すこやかなるときも」
 原作通りに描かれていれば、きっと「おっさんずラブ」に続く「深夜の大ヒットドラマ」になります。(キッパリ)

 だってもう読むだけで胸がギューンッッッ!
 映像で観たら、心臓が押しつぶされて爆発するかも・・・。
 


 窪美澄が放つ、「超」が何個つくかわからない純愛小説。
 原作を読んでからドラマを観れば、感動倍増ですよ。
 (ドラマを観てからでもいいけど)
 
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■「やめるときも、すこやかなるときも」あらすじ



 須藤壱晴は32歳の家具職人。
 壱晴は毎年12月になると、一定期間、声が出なくなる。

 医師曰く、病名は「記念日反応」。
 過去の同時期に、「衝撃的な出来事」があったせいで、声が出なくなった可能性が高いという。

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 壱晴には、思い当たる出来事があった。
 しかし彼は、それを一切話さず生きてきた。

 心の傷を癒そうと、何人もの女性と関係をもつが、結婚はしないと決めている。

 だがそこに、運命の出会いが現れる。

 相手の名は桜子。
 年齢は同じ32歳。
 
 恋愛経験はほぼ皆無で、異性から「重い」と疎ましがられる始末。

 暴力父のせいで実家の家計がひっ迫しているため、給料は全て親に吸い取られている。
 
 恋愛も結婚もしたいが、半ばあきらめている状況だ。

 壱晴と桜子は、将来に絶望しながらも、互いの存在を意識するように。

 一人で生きていく・・・そう決めていた二人は、距離を縮めることができるのか!?
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■「やめるときも、すこやかなるときも」感想



 まず主人公の仕事が「椅子づくり」というのが、いい!

 窪美澄さんが、どのような意味で「家具職人」と設定したのかはわかりません。

 でも憶測ですが、著者は「主人公は椅子を作るひとでなくてはならない」と思ったのではないでしょうか。

 私としては、この物語は「椅子を作る人」でないと成立しない。
 「椅子を作る人だからこそ成り立っている」と思えて仕方がありません。

 なぜなら、この物語こそ「読者にとって最高の椅子」だからです。

 壱晴も桜子も、ほぼ「一人で生きていくこと」を決めています。

 心に大きな傷を負い、一定期間、声も出なくなる壱晴。

 妹はさっさと「でき婚」し、自分は恋愛経験ゼロ。
 さらに経済力ゼロの両親と同居。
 実家にしばりつけられ、「結婚なんて到底無理」の桜子。

 壱晴と桜子は、やっとの思いで、自分で自分を支えながら生きています。
 
 もう読んでいて、苦しいほどに。
 読むだけで、自分の足腰が痛くなってくるほどに。

 つまり二人はそれぞれ、脚のない椅子、あるいは一本しか脚がない椅子に座り続けていたんです。

 でも物語が進むうちに、脚は次第に生える予感。

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 徐々に「ああ、人間、椅子がないと生きていけないんだ。椅子が必要なんだ」とわかってくる展開となっています。

 もちろん脚が増える過程は、一筋縄ではいきません。
 突然ガクッとはずされることもあります。

 でも結局は・・・「人間、椅子はあった方がいい」という結末に。

 座ってもいい。
 よりかかってもいい。
 机があれば突っ伏して寝てもいい。
 高い物を取ろうと思ったら乗っかってもいい。

 本書を読んでいると「人間、互いに椅子になって生きていこうよ、支えあっていこうよ」と心の底から思えてきます。

 だから本書は、存在そのものが「安定した椅子」。

 「一人で生きていくんだ」「もう一人で生きていくしかないかもしれない」
 そう思ったら、本書を手に取ってみませんか?

 結婚云々に関わらず、やめるときも、すこやかなるときもあなたにピッタリの椅子となって、心を支えてくれるはず。
 そして、あなたを支え、あなたが支える人と向き合う勇気が、きっとわいてきますよ。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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