「十二単を着た悪魔」感想。受験生必読!「源氏物語」がこれ1冊でわかります。

 「女が幸せな人生を勝ちとるのに、必要なものは二つだけ。決断力と胆力だ。それさえあれば、たいていのことはどうにでもなるわ」
(本文引用)
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 「受験で古文が必須」「でもなかなか古文に興味が持てない・・・」
 そんな悩みをお持ちの高校生諸君!
 今すぐ「十二単を着た悪魔」を読もう。

 あれほど理解に苦しんだ「源氏物語」が、これ一冊で丸わかり。
 
 わかりにくい身分、こんがらがった人間関係が、「あ~、そういうことだったのね!?」ともつれた糸がホロホロ。
 
 「今まで、何で物語がわからなかったのだろう?」とハテと首をかしげるほどだ。

 ストーリーがわかると当然、源氏物語の面白さが頭と心にしみるしみる。 

 
 「これは世界最大のロングセラーになるはず!」「今でもこんな小説、なかなか現れないわ~」と、心の底から納得した。
 (でもこれ、現代の小説で書いたら18禁ものだよね・・・)

 ちょっと、というか、かなり際どい箇所もありますが、「源氏物語」とはそういうもの。
 受験生の保護者の皆さま、「どれどれ」と本書を読んだら、眉をひそめることもあるかもしれない。

 でも受験突破のためには、ぜひ目をつぶっていただきたい。
 古文と和歌の解釈がスルスルわかり、古文が得意になっちゃうはず。
 
 もしかすると理系から大きく方向転換して、「古文の研究者になりたい」なんて言い出すかも!?
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■「十二単を着た悪魔」あらすじ



 伊藤雷は大学を卒業したばかりの22歳。
 就職活動がうまくいかず、日雇い派遣に従事。
 彼女にも別れを切り出され、すっかりブルーになっている。

 ある日、雷は源氏物語イベントの設営に。
 仕事の帰り、雷は突然タイムスリップ。

 気がつけば、周囲は平安の世に。
 しかも迷い込んだのは、「源氏物語の世界」に。

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 「あらすじ」を知ってる雷は、未来を読める人物として、宮中で珍重される。

 21世紀で破れかぶれだった雷は、源氏の世界で生きる決意を固めるが・・・?
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■「十二単を着た悪魔」感想


 
 あらすじを見て、思わず「何だこりゃ?」と思ったのでは?
 
 源氏物語展を設営している間に、「源氏物語」の中にワープして、平安の宮中で生きていく・・・。

 はっきり言ってハチャメチャな設定だ。

 しかし「現代の感覚から書いてるから」こそ、源氏の魅力が鮮明に。
 
 「源氏物語」の世界は、ずばり男絶対・身分絶対。

 現代とは比べ物にならない男尊女卑と、庶民にはわからない上下関係。

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 男女の関係をフラットに考える「平成男子」の雷は、源氏の世に目を丸くする。

 だから本書は「源氏物語」の解釈におすすめ。

 21世紀と平安の世、価値観の違いを比較できるので、どんどん頭に入ってくる。

 「平安の恋は男主導」「イクメンなんて思考は無し」「一夫一妻多妾制、生き馬の目を抜く競争で、勝ち抜くのは誰?」

 そんな恋愛・育児・結婚における「現代との違い」が色濃く書かれているので、読んでて全く飽きない。
 「平安の常識は、平成令和の非常識」と、バラエティを観る感覚で、源氏物語を読めてしまう。

 さらにこの本、他の源氏本にはない「憎悪の視点」で書かれてるので、さながら昼ドラ。

 原作では影が薄い(つまりいちばん立場がない)弘徽殿女御が、宮中一のインフルエンサーに。
 桐壺帝の不義に対し、一生復讐をしながら権力争うを操る様は、まさに「悪魔」。

 物語は得てして「幸せ一色」より、泥沼劇のほうが面白いもの。
 
 「十二単を着た悪魔」は、弘徽殿女御によるドロッドロの復讐劇が前面に出されているので、思わずゴクリと読み入ってしまうのだ。

 21世紀の青年と、原作では地味な弘徽殿女御、2つの視点で源氏を見れば、あれまビックリ。
 「源氏物語って、こんなにスリリングで人間臭い物語なの?」とワクワク。
 気がつけば「源氏物語の虜」になること間違いなし、だ。

 受験で古文が必須の方、手っ取り早く古文を学ぶなら、本書は絶対買い!
 
 他の教科が疎かになるぐらい、古文にハマってしまうかも(それはそれで危険・・・)。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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