「教場0」。一冊で12回しびれる極上短編。タクシーが何度も曲がった驚きの秘密とは?

評価:★★★★★

 「物証ならある」
 風間が地図の上から糸をつまみ上げた。
 「・・・・・・その糸が物証だとおっしゃるんですか」

(本文引用)
______________________________

 「教場0」は「1冊で最低12回しびれる短編集」だ。
 
 なぜ1冊で12回しびれるのか。
 それは「教場0」が「警察OJT小説」だからだ。

 天才捜査官・風間公親が、ただひとり名推理を披露するわけではない。
 風間は門下の新米刑事に、独自の手法で「ヒント」を与える。

 そこでひよっこ刑事はひとひねり。
 「自殺」「事故」で片づけようとしたところを、風間のヒントで見事「事件解決」に導くのだ。

 だから「教場0」は、1冊で最低12回は、推理にしびれる。
 風間の粋なヒントで1回。
 ヒントから着想を得た新米刑事が、答を引き出しもう1回。



 6話の短編集だから、2×6=12回、ミステリーの面白さに悶絶できるのだ。

 しかも「教場0」は6編すべて、「異能レベル」の面白さ。
 登場する犯人たちは、そんじょそこらのミステリーよりハイレベル。
 計画が緻密で、普通の刑事なら、自殺・事故・完全犯罪・迷宮入りになってもおかしくない強者ぞろいだ。

 そこを風間が、凡人離れした着眼点で容疑者を特定。
 門下刑事にそっとヒントを与え、「驚きの物証」を発見。
 
 図太い容疑者を、異能レベルの着眼点で「もう逃げられない」と追い込む場面は実に爽快だ。

 「教場0」のなかでも、特にシビれたのが、第一話「仮面の軌跡」。

 主人公・日中弓は、百貨店勤務の女性。
 ホストクラブ経営者の芦沢と交際している。
 
 しかし弓は大企業御曹司と婚約中。
 芦沢に別れを切り出すが、事情があってなかなか別れられない。
 
 弓は一計を案じ、仮面をかぶって芦沢とタクシーに。
 タクシーの中で、弓は静かに芦沢を殺害。
 決して痕跡を残さぬよう、タクシーを降りたつもりだったが・・・?

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 この事件の「物証」には、思わず「ああっ!」。
 実際の事件では、本当にこんな物証は認められるのかな?
 だが「動かぬ証拠」であることは間違いない。
 
 「仮面の軌跡」の「物証」は、古今東西ミステリー史上類を見ないもの。
 第一話を読めば、「こりゃ確かに1冊で12回しびれるわ!」と納得できるであろう。

 「教場」は2020年お正月にドラマ放送。
 異能の天才捜査官・風間を、木村拓哉がどう演じるのか。
 そして風間のもと、新米警察官はどのように成長していくのか。

 今から2020年の年明けが、楽しみで仕方がない。
 (※「教場」「教場2」のレビューもごらんください。)

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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