「愚者のエンドロール」感想。ミステリーは謎解きが面白いんじゃない。謎になるのが面白いんだ!

評価:★★★★★

 「私はその違和感が、ずっと気になっていたんです」
(本文引用)
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 大人気「古典部シリーズ」第二弾。
 ミステリーはミステリーでも、前作「氷菓」とはかなり違った趣だ。

 「氷菓」は純粋な謎解きを、存分に楽しめるミステリー。
 いっぽう「愚者のエンドロール」は、「謎を解く」のではない(いや、最終的には解くのだが)。

 いわば「謎になる」ミステリー。

 ミステリーの魅力は、「探偵みたいに謎を暴けること」だけと思っていないだろうか。

 実は自分自身が謎になってしまえば、ミステリーはもっと面白い。

 「謎を解く」よりも「謎の一味」になった方が、探偵になるより何倍もワクワクするのだ。


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■「愚者のエンドロール」あらすじ



 神山高校古典部のメンバーは、ある日、試写会に赴くことに。
 
 それは同高校・ビデオ映画研究会の自主映画。

 内容はミステリー。
 密室のなか、一人の少年が腕を切り落とされて死んでいたという設定だ。

film-102681_640.jpg


 犯人も密室の謎もわからぬまま、映画は終了。

 古典部のメンバーは、映画の謎解きに頭をひねるが・・・?
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■「愚者のエンドロール」感想



 とにかく最後の最後まで気が抜けない。

 解決したと思ったら、実は解決の入り口にも立っておらず振り出しに。 
 そもそも「解決しよう」という発想自体が「真犯人の罠」にひっかかってるという、何とも「お人が悪い」ミステリーなのだ。

maze-1804499_640.jpg


 なぜ「解決しようという発想自体が罠」なのか。

 理由は前述どおり、「謎解き」ではなく「謎になる」ミステリーだから。

 「謎解き」という行為は、自分が「謎の外」にいるからこそできること。

 しかし「愚者のエンドロール」は「謎解き」ではない。

 「謎を解く」でなく「謎になる」。
 ということは、あなたのいる場所は「謎のどこ」にあたるのか?

 かなりネタバレになってしまうが、読みながら、ぜひ「事件における自分の立ち位置」に注意していただきたい。

 「よーし、謎を解くぞ!」と息巻くと、その立ち位置から足をすくわれるに違いない。
 
 でもこんな足のすくわれ方、大歓迎。
 ミステリーファンなら、気持ちよくスッ転べるはずだ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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