「面白南極料理人」感想。「毎日のご飯作りが辛い」という人に全力でおすすめの一冊。

評価:★★★★★

 「ローストビーフって、最初は山火事で焼け死んだ牛を牧童が生焼けのところを食べてみたらすごくおいしかったので、それから牛肉料理の定番として発展していったんだって・・・・・・」くらいのコメントを付け加えれば、貴女のさっそうとした凛々しい姿に見とれている男たちは感動の涙とともに、コロッとだまされること請け合いである。
(本文引用)
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 私は料理が結構好きだ。
 しかし毎日のごはん作りが、時に辛くなる。
 
 それは「作る作業」が辛いのではなく、「おいしいと思ってくれるかどうか」というプレッシャーが辛いのだ。

 クック●ッドで「つくれぽ1000件以上」、「旦那が絶賛でしたー!」「魚嫌いの子どももバクバク!」などというコメントがついた料理を作ってみても、家族の反応が今一つだと「あれっ?」と落胆。
 
 料理ブロガーさんの美味しそうな食卓(しかもたいてい部屋もキレイで、出かける時は作り置きまでしてる)を見ると、「同じ人類なのに、なぜこうも違うのか」と地面にめり込みそうになる。
 (「死にがいを求めて生きているの」で、「人と比較しない!」と誓ったのに・・・)


 そんな鬱々としていた時に、読んだのが「面白南極料理人」。
 
 もうね、これ読んでから料理が楽しくて。
 土井善晴先生の「一汁一菜」でも取り去れなかったストレスを、この「面白南極料理人」はだるま落としのようにスコーンッと取り去ってくれた。

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 毎日の食事作りにプレッシャーを感じてる人は、ぜひ読むべし!
 はっきり言ってメチャクチャおいしそうな料理ばかり載っているから、余計にプレッシャーを感じちゃうかもしれない。

 でも読めばきっと「あ、これでいいんだ」と安心できる。

 ほら、著者もこう言っている。
 

肩の力を抜いてトライすれば絶対大丈夫、世界に二つとない貴女だけの料理ができ上がる。頑張って!!


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■「面白南極料理人」内容



 著者・西村淳氏は海上保安官。
 南極観測隊や南極観測隊ドーム基地越冬隊などに参加。

 男9人で、平均気温-57℃、最低気温-79.7℃の地で過ごす。

 そんな過酷な状況を乗り越えるには、「楽しい食事・おいしい食事」が不可欠。
 
 食糧・燃料・人力に強烈な縛りのあるなか、彼らはどんな料理を作り、どんな「うまい!」を体験したのか。

 限られた条件のなかで繰り広げられる、誰もが笑顔になる食卓とは?
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■「面白南極料理人」感想



 まず本書は、電車のなかで読んではいけない(解説にも書いてあるけど)。

 3行に1回は「ブハッ」と笑える。
 
 たとえば調味料について。
 レシピを見ていて「これ美味しそう!」と思っていても、調味料が家になくてあきらめたこと、誰しもあるのではないだろうか。

 西村氏はそんな悩みをスパッと解決。

 カレーライスに必ず入れろと言われているガラムマサラもなければ入れないでいいし、どうしても入れたかったら、ハウスジャワカレーに太田胃散を小さじに半分入れるだけで、インドカリーの親戚の又従兄弟くらいには化けてくれる。

とアドバイス。

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 「大さじ何杯ってはかるの、時々めんどうになっちゃうのよね」という人には、こんなアドバイスも。

 分量も小さじ何杯の呪文に惑わされることなくひっきりなしに味見をして、「ちょっと薄いかな?」で止めると大体ビンゴ!



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 しまいには

 「甘い!」と言われたら「あなたの体を心配してるのヨ」とやさしい声で切り返し、「辛い!」と言われたら「ごめんねー、料理本通りにやったらこんな風になっちゃった」とその本を書いた筆者のせいにしてしまえばいい

・・・毎日、家族の評価を気にしている身としては、これほどありがたい言葉はない。

 切り方をそろえましょう、レシピ通りに作りましょう、こうすることで臭みがとれます・・・等々、レシピ本を見ていると「実際役立つ情報」は山ほどある。
 一応守るようにしているが、それでも家族の評価がいまひとつだと「もうどうしたらよいものか」とため息が出る。

 そんな時に、著者が明るく語る「逃げの一手」には思わずニッコリ。

 料理を作るうえで、自分が本当にほしかったアドバイスは、上手に作る方法ではない(もちろんそれも大事だけど)。

 「料理って、これでいいんだよ。十分おいしいんだよ。気楽にやろうよ!」という言葉だったんだ・・・本書と出会い、そう思えて涙が出た。
 
 だからといって、本書に登場する料理、どれもいい加減なものでは全くない。
 毎日が三ツ星レストランのようなメニューで、盛り付けも華やか!

 ある意味、ますますプレッシャーが重くのしかかりそうだがいいのいいの。
 これだけ見事な料理を作れる人が「難しいこと考えない。こうしときゃ自然とうまくなる」と言っているのだ。

 肩の力を抜いて、自信をもってご飯を作ろう。
 「ちょっと薄いかな?」ぐらいで火を止めよう。

 あれ?何だかいつもより子どもがパクパク食べる気がするぞ。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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