「人間をお休みしてヤギになってみた結果」感想。だから人間は「今度食事でも」と言うのだ!

評価:★★★★★

 「ヤギは悩んだりするのかな? って思って」
 「悩むね」
 マジか。

(本文引用)
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「少しの間、動物になれたら、すごくない?」


 ゼロからトースターを作ったトーマス・ウェイツが、またとんでもないことを言い出した。

 しかもこの「動物になれたらすごくない?」という研究は、イグ・ノーベル賞・生物学賞を受賞。
 
 どんなにバカバカしい思いつきも、トーマスの手にかかれば「人類の至宝」となる。
 誰もが「アホか」と笑う研究も、ガチでやれば世界を動かすことができるのだ。



 そして意外にも、このヤギの研究、「人間の研究」にもなっている。
 たとえば親しくなりたい相手に、必ず言うのが「今度一緒に食事でも」。

 ヤギになりきったトーマスの行動を通して、私はこの言葉の意味がわかった。
 ヤギの発見は、そのまま人間発見だったのだ!
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■「人間をお休みしてヤギになってみた結果」内容



 著者トーマス・トウェイツは悩んでいた。

 その理由は「ヒマだから」

 仕事がなく、任務といえば姪っ子の飼い犬を散歩させること。
 
 将来への不安が募るなか、トーマスはふと「あること」に気づく。

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未来について心配するためには想像しなければならない

ということ。

 この想像力はおそらく、人間だけが持っているもの。
 それならば・・・。
 

人間特有の悩みっていうのを、数週間だけ消しちゃうって楽しそうじゃない?


 一気に希望がわいてきたトーマス。

 まずは象になることを考えたが、紆余曲折の結果、友人に言われる。
 

「アンタはヤギになりなさい」
 僕「お、おう」



 いよいよ、本格的に「ヤギになる試み」がスタートする。
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■「人間をお休みしてヤギになってみた結果」感想



 いかにもくだらなそうな、この実験。
 しかし侮るべからず!

 予想をはるかに上回る学術的な内容に、目をむくはずだ。

 ヤギと人間の思考の違いを、脳科学的にきっちり解説。
 脳のどの部分を切除すれば、人間特有の悩みを消し去れるか。
 人間が人間たらしめている「脳の働き」とは、どこが司っているのか。

 人間と動物の脳の違いについて、本書ほど「本気で説明してくれる」本はない。
 何しろヤギになり切ろうというのだから、協力者もヤギになり切る勢いで実験・解説。

 イグ・ノーベル賞を受賞するのも納得の、非常にハイレベルな内容だ。
 しかし翻訳がとてもポップで読みやすいため、スイスイ頭に入る。

 「笑い」と「真面目」の黄金比をしっかり押さえた翻訳は、実に見事だ。

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 脳を調べたら、次は「ヤギの骨格」へ。
 これがもうガチ中のガチ。

 死んだヤギから骨格を再現し、手と足にきっちり枷をはめ、「まるっきりヤギ目線」の体に仕立てていく。
 
 そこから見える「人間の体のメリット・デメリット」には、目からウロコ。

 「人間が偉い」なんて誰が言った!?
 読みながら、私は思わず「人間なんてララ~ラ~ララララ~ラ~♪」口ずさんでしまった。

 そして人間とヤギ、異例すぎるコラボレーションからは、「人間の行動あるある」の意味が浮き彫りに。

 人はよく「今度一緒に食事でも」と言う。
 ビジネスでもプライベートでも、「今後付き合いを続けたい」と思う人には、必ずと言って良いほど食事に誘うのだ。

 私は以前から「なぜだろう?」と疑問に思っていたのだが、トーマスの研究により、霧が晴れたようにわかった。

 なかなかヤギの世界になじめなかったトーマスが、ヤギの世界に入り込めた瞬間。
 とっていた行動とは・・・?

 それは、はっきり言って「そこまでやるか!」と全力で突っ込みたくなるもの。
 でもそこまでやってくれたから、ヤギのことも人間のこともわかったのだから感謝!

 トーマスさん、また4年後辺りに新しい実験をしてくださいね。

 もし人間だったら・・・ね♪

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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