「君たちはどう生きるかの哲学」感想。「コペル君が動けなかった理由」に目からウロコ!

評価:★★★★★

 コペル君が北見君や浦川君の行動に感動したことを、叔父さんが大切にしなさいといったのは、この感動の根に、「何かひそやかなもの」「まともであること」があるからではないだろうか。
(本文引用)
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 2018年のベストセラーといえば、「君たちはどう生きるか」。
 私はもともと原作を読んでいたのだが、子どものために漫画版も購入した。

  


 結果、わが家には「君たちはどう生きるか」が勢ぞろい。
 岩波文庫の原作、漫画版、そしてソフトカバー版の3冊をそろえ、家のあちこちに置いている。
 
 いつでも何度でも読めるようにしたいから。
 家族全員が読めるようにしたいから。
 この本が好きで好きで仕方がないから。

 そこで今回読んでみたのが、「君たちはどう生きるかの哲学」。


 「君たちはどう生きるか」に登場するコペル君や浦川君、北見君や水谷君は、なぜあのような行動をとったのか。
 哲学者は、彼らの友情をどう捉えたのか。

 「君たちはどう生きるか」を読み、「自分なりの解決」を導きだした人に、本書はおすすめ。
 「そういう考え方もあるのか!」と、何度も目を剥くに違いない。
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■「君たちはどう生きるかの哲学」概要



 日本を代表する哲学者・鶴見俊輔は、「君たちはどう生きるか」をどう捉えたか。
 
 それについて、コラムニスト・上原隆がつぶさに解説する。

 人間という小さな分子は、どうつながっているのか。
 いじめ、貧富の差、恵まれた環境に身を置いていることの意味、「弱い者」を助ける行動力、後悔から生まれる信念・・・。

 登場人物たちの行動から、「君たちはどう生きるか」が「不朽の名作」たる理由を解き明かす。
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■「君たちはどう生きるかの哲学」感想



 本書を読むと「君たちはどう生きるか」を考える前に、「君たちはどう生きてきたのか」を考えることの重要性がよくわかる。

 「どう生きてきたのか」と言うよりも「どう育ってきたのか、育てられてきたのか」と言うべきか。

 「育ってきた環境・育てられ方」が、いかに「行動」に影響を及ぼすか・・・その甚大さには、思わずゾッとするほどだ。
 
 たとえばコペル君が、北見君を助けられなかった理由。

 このエピソードは「君たちはどう生きるか」のクライマックス。
 読みながら、「自分ならどうしただろうか」「自分が北見君たちの立場なら、コペル君を許しただろうか」など思いを巡らせた人も多いであろう。

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 コペル君が北見君を助けられなかったのは、ともすると「勇気がない」という一言で片づけられがちだ。
 
 しかし本書では、全く異なる視点で分析。

 ケンカに飛び込んでいけるかいけないか。

 その点について本書では、コペル君と、北見君・水谷君・浦川君3人の間の「育ち方の差異」から解説する。

 この視点・解説には、目からウロコがボロボロ。

 「どう生きるか」を考えるには、まず「どう生きてきたか・育ってきたか」を把握しないといけないのだな・・・と、認識を新たにした。
 
 自分が生きてきた土台を見つめないと、上にいくら立派な理想論を建てても意味がない。
 「君たちはどう生きるかの哲学」は、それを教えてくれた点で、非常に斬新かつ有益な一冊だった。

 ちなみに本書の帯に「読んでから読むのも、読む前に読むのもオススメ!」とある。
 「君たちはどう生きるか」の原作を読んでから読むのも、読む前に読むのもオススメ、という意味だ。
 
 しかし私としては「読んでから読む」のを圧倒的に薦める。
 原作で「コペル君の苦悩」を十分読み込んでから、ぜひ本書を読んでいただきたい。

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アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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