「本のエンドロール」感想。2018年の超掘り出し物!「本好き・お仕事小説好き」なら必読。

評価:★★★★★

「昔は黙ってても本が売れたんですけどね、今はそうはいきません。でも、一矢報いたい」
(本文引用)
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 「この本に気づかなかったなんて、私はいったい何をしてたんだ!?」
 私は、思わず自分の頬を張り飛ばしそうになった。

 発行は2018年3月、つまり私は9ヶ月も本書を知らずに2018年を過ごしていたわけだ。

 何が読書家だと、聞いてあきれる。
 「本のエンドロール」・・・これほどの良書を読まなければ、とうてい「本好き」などと言えない。
 
 本が好きで、まだ本書を読んでいない方は、今年中に読むべし。
 「今年の汚れ、今年のうちに」なんて大掃除はいいから、今年のうちに「本のエンドロール」を読んでおこう。



 読めば必ず「危ない危ない、読まずに年を越すとこだった・・・」と冷や汗をかくことだろう。

 「本好き」の間では、SNS等で評判が出回っている「本のエンドロール」。
 私のSNSのおかげで難を逃れた(?)わけだが、いったいどんな小説なのか。

 「本好き」なら誰でも唸る、その正体とは?

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■「本のエンドロール」あらすじ



 舞台は、とある印刷会社。
 営業の浦本は「印刷会社はメーカーだ」が持論の熱血社員。
 良い本をつくりたいために、つい作家や出版社の無理な頼みを引き受けてしまう。

 そのしわ寄せに困っているのが、印刷製造部。
 浦本と同年齢の野末は、無茶な印刷スケジュールに頭を悩ませる。

 実は野末はプライベートでも、大きな悩みを抱えていた。
 病気の義弟の医療費を払い、家計は困窮。

 息子たちは本を見るたび、「パパが造った本!」と喜ぶが、心は日に日にささくれ立っていく。

 「本はものづくりだ」と情熱を傾ける者。
 「本はものづくりなんかじゃない。目の前の仕事をこなすだけ」と斜に構える者。

 本がなくなろうとしている今、彼らが出した結論とは?

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■「本のエンドロール」感想



 「本のエンドロール」は、ずばり「本好き」の人に超絶おすすめ。
 特に「本・活字にまつわるお仕事小説好き」なら、ページをめくる手が止まらないはず。
 
 本がこの手に届くまで、どんな工程を経ているのか。
 そのプロセスが、ここまで緻密に書かれが本はそうそうない。

 作家・編集者・装丁作家・印刷会社・書店員・・・本書を読めば、全ての人の仕事の様子が手に取るようにわかる。
 予算・コスト・利益を考えながら、作家の思いを最大限に引き出し、世に送り出す。

 その闘いが、いかに過酷でいかに素晴らしいものか。

 読めば読むほど、「やっぱり私は、誰が何と言おうと本が好き!」と本をギュッと抱きしめたくなる。

 なかでも面白いのは、第四章「サイバー・ドラッグ」。
 超人気作家の本を、上下巻外箱付で売り出すことに。
 しかし出版社が提示した見積額は、意外に低いもの。
 印刷会社は、「その見積額ではベストな本をつくれない」と大いに悩む。
 
 さて出版社の意向を飲むのか、印刷会社の意地を見せるか?

 「本のエンドロール」を読めば、今、手にしている本の手触りがガラリと変わる。
 めくる紙、しおりの色、フォント、カバーデザイン、そして奥付・・・。
 本の隅から隅まで、全てに愛を感じてしまう。
 
 「印刷会社は本の助産師」という言葉が本書に登場するが、まさに我が子を見つめるような目で、本を見るようになるだろう。

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 だから本書は「本好き」な人に心底おすすめ。

 「本をもっともっと好きになりたい!」「本に溺れたい」と思うなら、必ずその願いは叶えられる。

 ちなみに本書は、最後のページまで読むのが重要。
 「物語最後のページ」ではない。
 ホントにホントの「最後の1ページ」まで、きちんとめくるのがミソ。

 本書にしかできない仕掛けに、思わず「あっ!」と声をあげてしまうだろう。 

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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