「極夜行」と一緒に読みたい!角幡唯介「空白の五マイル」は生きるエネルギーがわいてくる一冊。

評価:★★★★★

 冒険は生きることの意味をささやきかける。だがささやくだけだ。答えまでは教えてくれない。(本文引用)
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 「極夜行」と併せて読みたい一冊。
 
 「併せて読む」というより「比較して読む」と言ったほうがよいかもしれない。

 同じ人間の冒険譚でも、ここまで色合いが異なるものかと驚愕する。

 「極夜行」はひたすら旅の様子を描いた、紀行文の色合いが強い。

 一方、「空白の五マイル」には、角幡氏の「生き様・哲学・美学」が全て詰め込まれている。

 「なぜ自分は探検をするのか」
 「自分にとって価値ある探検とは、どんなものか」
 「探検は自分に何をもたらすか」etc.



 遭難のニュースが入るたびに、「なぜ山なんか登るのだろう」「なぜ探検になんか行くのだろう」と不思議に思う人は多いだろう。
 しかし本書を読めば、「なぜ彼らは探検なんかに行ってしまうのか」がようやくわかる。

  「探検する心」がわかると、自分も何か限界に挑戦したくなる。
 実際に冒険はしなくても、「せっかくもらったこの命、ギリギリまで使って生きてみよう」という気にさせられる。

 エネルギー切れを感じていたら、栄養ドリンクを飲むつもりで本書を読むのがおすすめ。

 読みながら、自分の心と体が充電されていくのがわかるはずだ。
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■「空白の五マイル」概要



 角幡唯介は、以前からツアンポー川の秘境に憧れていた。
 誰も踏み入れたことのない「空白地域」があるからだ。

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 大学卒業後、ツアンポー川探検を敢行。
 一定の成果を得たが、「未踏の地」への憧憬は強く、勤めていた新聞社を退社。

 地上最後ともいえる「空白の五マイル」を踏査すべく、チベットに旅立つが・・・?
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■「空白の五マイル」感想



 さすが人類未踏の地。
 旅程だけでも、ヒリヒリと焼けつくような内容だ。
 
 ツアンポー川で盟友を失った、カヌーイストの話。
 それでもなお心をとらえて離さない、ツアンポーの魅力。
 完全に「死」を意識した滑落。
 探検するうちに、骨同士が音を立てはじめる「肉体の限界」。

 ツアンポーの旅は、まるで「あの世」と「この世」の狭間をタイトロープでわたるような過酷なものだ。

 角幡氏はその工程を克明に描写。
 読めば読むほど「そりゃ、これだけの場所なら空白地帯にもなるわな・・・」と納得できる。

 つまり「空白の五マイル」は紀行文としても十分読み応えがあるのだが、そこで終わらないのが「角幡流」。

 なぜ命の危険を冒してまで、探検をするのか。
 意味のある探検、意味のない探検とはどのようなものか。
 角幡氏にとって探検とは何か。

 そんな「探検の意義」を哲学的に書いているため、紀行文を完全に超越し人生論となっている。
 
 さらにここからが本番。
 角幡氏が言う「探検」を、人生に当てはめれば、そっくり「良い人生の歩き方」の指針となる。

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 今、生きることに虚しさを感じている人。
 「私、このまま死んでいくのかな」という、漠然とした不安を抱えている人。
 生きるエネルギーが切れてきてる人。

 そんな人に「空白の五マイル」は、心底おすすめ。

 とりあえず本書を読めば、エネルギー満タン。
 その後は「宝物のような人生」が、きっとあなたを待っている。

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プロフィール

アコチム

Author:アコチム
反抗期真っ最中の子をもつ、40代主婦の読書録。
「読んで良かった!」と思える本のみ紹介。
つまらなかった本は載せていないので、安心してお読みください。

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